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梅雨は何かと塞ぎがち

 梅雨も本格的に始まり、外では土砂降りの雨が激しい音を立てている。雨だとどうしても気持ちが沈んでしまうのか、普段は騒がしい空気ズも今日は比較的物静かだ。


「あっ、ヨウコ! アイテム横取りしないでよ!」

「煩わしいですわ。この世は弱肉強食ですのよ」

「二人とも、お先に失礼する」


 カオリ、チヒロ、ヨウコは家にあるアクションレースゲームをやっている。……うん、静かだな。




「ねえ、司さん」

「何だ? アルゴンか珍しいな」


 あまり口を開かないアルゴンが俺に話しかけてくる。それにしてもあどけない顔に銀髪がよく似合ってらっしゃる。……ヤバいな。大分ロリに毒されて来たか。

 俺の煩悩に満ち溢れた思考も知らないで、アルゴンは続ける。


「何でボクには名前を付けてくれないんだい? それに他の三人ばかりに気を掛けて、ボクは相手にされてない気がするんだけど……」


 アルゴンが悲しそうな顔をした。俺は思わずゾクゾクしてしまう。おっと、いけないいけない。

 アルゴンを除く空気ズは別に気に掛けている訳じゃなく手を焼いているだけなんだけどな。

 俺はアルゴンの頭に手をポンっと乗っけて優しく撫でた。


「悪いな。別にひいきしているとかそんなつもりは無かったんだけど、アルゴンに構ってやれなかったのは事実だしな。今からでも名前を……そうだ、アリスなんてどうだ」


 本当はアリスの綴りって『Alice』だからアルゴンの頭文字Arとか無視だけど気にしない事にしよう。


「うん、いいと思うよ」

「それと今までの謝罪も込めて今日は二人でお出かけでもするか」

「え!? 別にボクはそんなつもりじゃ無かったんだけど」

「いいからいいから」



 ***



「ごめん、今日雨だったんだ」


 近くのショッピングモールにあるフードコートで、俺たちは少し早めの昼ご飯を食べている。雨とはいえ、自分から言い出した手前どこかに行こうと思ったけど、ここが無難だと考えた。他の三人も付いて来るとか言わないか心配だったけど、ゲームに夢中で気付かれなかったみたいだ。


「いや、気持ちだけでも嬉しいよ」


 アリスは大きめに切り分けたハンバーグを口に運び、顔を綻ばせた。少しは喜んで貰えただろうか?


「次はもっといいとこ連れてってやるからな」

「うんっ!」


 やっぱりアリスも笑顔の方が可愛いな。

メインヒロインはカオリですが、私はチヒロ推しです。

クーデレって可愛いと思います。


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