表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/39

カオリの日常

今回はカオリ視点です

 六月上旬、今日も司はバイトらしいわ。梅雨で雨も大降りだと言うのにご苦労な事ね。

 私はというと、チヒロとヨウコが昼寝をしている間に新しい事を始めようと思うわ。

 それにしてもこの二人、口を開けば喧嘩しているのに同時に、しかも同じ場所で昼寝なんて仲のいい事だわ。喧嘩するほど何とやらっていうやつかしら。


「何はさておき、情報収集から始めようかしら」


 私は司愛用のノートパソコンを棚から引っ張り出して、電源を入れた。


「司ってば、何でほぼ毎日使ってるのに毎回わざわざしまうのかしら。あれでいて意外と几帳面なのよね」


 どうでもいい独り言を呟きながら、いつも司がする様にブラウザを開いた。


 検索ボックスをクリックすると、司の見たくも無いアダルチックな検索履歴が出てきたけど、さすがにデリケートな問題だから帰ってきても知らん顔しときましょう。


「全く、いつの間にこんなの見てたのかしら。それにしてもタイピングって難しいのね」


 あまりにすらすらやっていた物だから気にしてなかったけど、画面見ながらタイピングなんて高等技術に違いないわ。


「これね。……そうだ、メモ帳とって来なきゃ」




 情報収集が終わったら、私はキッチンに立った。

 どっかのバカ女と違って、ナイフで誰かの命を狙う訳ではないわ。


「さあ、初めての料理、始めようかしら」


 作ったのはプリン。

 ネットで見た限り簡単そうだったし、材料も家にあった。

 勝手に食材使ったのは謝んなきゃね。


 鍵を開ける音がした。ちょうど司も帰ってきたみたい。食べてもらいましょう。


 司は美味しいって言ってくれたわ。

 ヨウコは料理に失敗した上、司から罰を貰ったせいか、悔しそうに唇を噛んでいたわ。あ、それとも私が勝手に洗い物増やしたせいかしら。

 でも私を恨むのは筋違いだと思うわ。全くのど素人が下調べもせずにミルフィーユなんて作れる訳無いじゃない。



***



「なあ、カオリ? お前、俺のパソコン使ったよな?」

「あ、あら……何の事かしらー……」

「白を切っても無駄だぞ。お前の検索履歴や閲覧履歴は残るんだからな」

「あ! いや、今のは違うの、唾にむせただけだから!」

「その反応……黒だな」

「ごめんなさーっい!」


 来月、ヨウコ同様、一ヶ月掃除、洗濯、皿洗いの刑を課されたわ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ