エピローグという名の人生の分岐点
高校生、17歳、人生で一度しかないこの時間。
かわいい彼女と毎日放課後デートやあんなことそんなこと、
毎日の学校生活ももちろんenjoy。
成績優秀で運動神経抜群。下駄箱の中にはラブレターがあふれかえって、学校の人気者。
というのは夢だ。
「ひろくん、さすがに溢れるラブレターはちょっと古いかな…?」
俺を残念そうな目でみて、姉貴がいった。
「女子縁ないくせにぃ。あるとしても優香ちゃんだけじゃん」
ぼさぼさで、伸ばしっぱなしの黒髪を整えながら笑った。
そうだ、成績は中の上、帰宅部だし、クラスメイトの女子とは話したこと無い人のほうが多い。
俺、高原広人はそんな感じの男子である。
つーか、
「姉貴はまたかってに俺の部屋にはいんなよ!」
学校から帰ってきて部屋のドアを開けると俺のベッドで姉貴が横になってた。
「えー話があってさー」
けだるそうに姉貴は口を開いた。これでも一応超難関工学大学の主席入学者なのだから恐るべし。
「話?ろくな話じゃないだろ」
「すごくろくだよ」
「使いかたおかしいから」
かばんを床に置いて、制服のネクタイに手をかけた。
「で、何?」
早くしろよと目で訴える。
「かわいい彼女とあんなことそんなことしたいのに女の子と仲良くできない!
縁が無い!そんなひろくんにいー話♪」
「いい話って…それきいていい話なわけがない」