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mission1 待伏せ。
出丘の自宅は長い住宅街の一本道の途中に存在する。これは出丘のパーソナルデータから得た確実な情報であり、真琴も出丘の出入りを確認した。
《愚者》曰く
『我らが確実にお互いを感知できるために必要な距離は大体150~200メートル必要だ保険として300は離れていた方がいい。』
とのことだったので、椋は日頃出丘が帰宅の時に使う道とは逆の道でで待機する。
出丘宅からはおおよそで300メートルといったところだろうか。
もしも取り巻きがいた時のために、一応黒いパーカーを着て、フードを深くかぶっている。
平坦な道だったので、ギリギリ出丘宅を確認でき、なおかつ目立ちにくいこの場所にしたのだ。これもすべて真琴が周辺を捜査し最高の場所を見つけ練っていた策である。
一度携帯端末の時計を確認する。デジタルな表示は18:32と表示していた。
出丘が帰宅する時間は決まっているわけではないが、平均的に8時、最高でも9時までには帰宅していたそうなので、どれほど待たないといけないかはわからないがここはじっと我慢し、出丘の帰宅を待つ。
本当はカメラを仕掛けようかという話になったが、もし気がつかれたとき警戒される可能性があるため、あえて配置しなかった。
ここは携帯のカメラ機能を使いレンズの倍率を上げデスクトップを覗いて、向こうからだれかが来るのを待つ。
4月とはいえ、夜になるとまだ少し気温が低く(もう1枚くらい上にきてこればよかったな)などと後悔しつつもジッと待ち続けた。
どれくらいの時間がたっただろう。椋は常に出丘宅に目を向ける。最小限のまばたきで、ジッと、ずっと。
時に時計を確認し、時間の経過を実感する。もうすぐ張り込み開始から2時間ほどたつだろうか。時刻は19:48分を示していた。
いつまででも待っていられる気がした。見ただけでどれが出丘かというのもわかるような気がしていた。見た瞬間怒りが爆発するんではないかとも思った。
そして時が来た。
mission2 拉致
ここが一番の難点かもしれない。
湧き上がるものを抑えるために一度大きく深呼吸をする。
デスクトップには6…7人くらいだろうか数人の影が写っている。
距離が近づくほどに、その面々の顔がはっきり確認できるようになっていく。
一目見てわかった。出丘は七人の中心に居る奴だ。奴のパーソナルデータで見た顔写真とほとんど変わらない。髪の形も色も変わらない。
椋は一度路地の奥に入る。
もう一度だけ深くフードを被り直し、そのままそっと呟く。
「『光輪の加護』………」




