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 暫く、戦闘についての作戦をたてている中、真琴の病室に近づく人影が一つあった。

 それは病室の前で立ち止まり、ゆっくりとその黒いボタンを押しこもうとしていた。


 そんなことも知らずに、3人?の話は進んでいく。

 椋の能力は短期決戦に向いているものである。相手が防御に徹するタイプなら、確実にこっちが先にガス欠になってしまう。などなど、相性の問題から、戦闘指南まで、さまざまな話をする。

 触れたくはなかったが、負けた時の可能性についてもだ。


  「オマエはもし出丘に負けた後のことを考えているのか?」

 唐突にフールが言う。確かに、負ける可能性を考えても負けた後のことはあまり考えていなかった。

 「出丘に直接負けるという事は、あいつの支配下に置かれるという事だが、たぶんそれは大丈夫だろうと我は考えている。」

 彼のいう事だ、何か根拠があるのだろう。そう思いながらフールに続きを促す。

 「あの支配能力には解除方があってな、支配下に置かれている人間が支配されていることを自覚した瞬間に、解除されるという条件付きの能力なのだ。普通の人間には不可能だろうが、オマエには我がいる。内側からの語りかけががあれば解除できる可能性はある。」

 しかし、この発言には一つ不可解な点があった。

 「じゃぁ、なんであの倉庫での事件の時に俺を配下に置こうとしたんだ?それこそフールがいたら解除されたんじゃないのか?」

 当然の疑問ではあるが、フールはこれを事前に説明した気でいた。

 「前にも言ったが、あの時は我が完全に覚醒していなかった。力が付く前に支配し、完全なコントロール下に置こうとしたんだ。決行は卒業式、お前たちが両方学校に来る日だったんだろう。あの行動には多少の焦りが見えるからな。」

 なるほど…そういう事情があったのかと少々感心しつつ、もう一つの疑問が浮かび上がる。


 「じゃあ、フールが言った負けた後っていったいなんなんだ?」

 椋の疑問を素早く解決する。

 「まず、オマエから仕掛ける戦闘なのだから、あの高校の入学は取消だろうな。相手が訴えるのならば暴力事件として再び巷を沸かせることになるだろう。」

 フールの発言に椋は「そっちのことは考えてなかった」的な表情で、真琴の方を見る。 

 真琴は頷きつづけ、最終的には「そんなことも考えてなかったのかよ」的な表情で椋を睨み返した。

 話も終盤に差し掛かかり、椋は最後に真琴に注意を飛ばす。


 扉の前にたっていた不審者が迷った末か、黒いボタンを押し勢いよく病室に踏み込む。


 「と…とりあえずだ、今日のことは絶対沙希には話すんじゃないぞ!」


 「へっ?なにが?」

 と、病室に行きなり飛び込んで不審者が疑問の声をあげた。


 椋、真琴の目の前には、サングラスをかけ、マスクを着けた純度100%の不審者がぽかーんと突っ立っていた

 

 

 

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