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 あれから何分ほどたったのだろうか。契ともう一人相手の無言の戦いが今も続いている。

 いったいどんな相手と戦っているのだろうかと、見てみたいのもやまやまだが、こんなところで反則だのなんだの言われて、試験が受けられなくなったら元も子もないので、あきらめてしばしの時間を待つ。


 あったばかりの永棟契(ナガムネチギリ)という少年。足音を聞いている限りではかなりの速度で動き回っている。

 が、それとまったくと言っていいほど同じスピード、歩調で相手も動いている。

 (音だけじゃ何とも言えないけど、さっきのあいつの驚き方といい、なんか気になるな…。)

 必死に考えても答えは出ない。最高でもあと30分以内には椋自身も戦うのだ。

 待っていればわかるだろうと思い、詮索は入れないことにした。

 

 「10分経過しました。試験終了です、合格おめでとうございます。」

 と和田のテンプレート的な台詞を聞き、二つの足音が止まる。

 「お二人とも、いったん目隠しをはずしていただいてもいいですよ。」

 と許可が下りたので椋はアイマスクをはずし、とりあえず対戦相手を探す。

 『確認の間』全土を見渡すが、ここにいる4人以外の人影は見当たらない。

 扉から退場したのならば、入場の時のように音がするはず、と思っていたので、椋には相手がどこに行ったのかさっぱり見当つかなかった。

 

 探すことをあきらめ、とりあえず契の方を見るが、椋はかける言葉が見つからなかった。

 先ほどまでの契とは違い、何か脅えているような顔をしていた。

 動き回っていたはずなのになぜか青白い彼を見て、「試験合格おめでとう」なんて言えるほど、椋は場をわきまえない人間ではなかった。


 5分ほどしたのち、和田の声が『確認の間』に響く。

 「次は、七瀬沙希さん。前に出て来てください。」

 「はい。」

 と爽やかに返事をし、沙希が席を発つ。

 沙希は契に先程まで自分が使用していたアイマスクを手渡し、少し重い足取りで、『確認の間』の中央に向かう。

 和田から、再び目隠しをつけるようにと指示されたため、アイマスクを装着し、しばし待つ。


 大きく重い扉が開く音がし、また閉じる。

 「うそ…でしょ……?」

 と、沙希までもが相手が入ってきた瞬間に、驚きを隠せないような声を上げる。

 「わかっておられますね?試験内容にかかわる発言は不正行為とみなされますよ?」

 と再び和田の忠告が飛ぶ。

 

 「では、始めてくださ…。」

 「『激痛の拷問具プレジャー・トーチャー・モード鉄の処女(アイアンメイデン)』」

 彼女の耳につけられた、ピアスから真紅の光があふれ、対面する相手を包み込むように真紅の光がその姿を鉄の処女へと変えていく。

 

 和田が開始を宣言したと同時に決着がついた。


 

  

 

 

 

 

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