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事故で手を怪我してしまいうまくキーボードが打てません(´;ω;`)
しばらく投稿が不定期になるかもしれません!
よろしくお願いします(´・ω・`)
「勝算はあるんですか、師匠?」
そんな質問を雁金さんに飛ばす。
「ねーよ!んなもん!」
あっさりと帰ってくる答えは想像の180度逆だったわけで、多少の驚きは覚えるものの、まぁ彼女の性格上そんなところだなと大方の予想は立っていたので少しため息を付く程度で済ます。
「何ため息ついてんだ!そんな暇あったら支援しろ支援!!」
雁金さんが額に少し汗を流しながら叫ぶ。さすがの正の《隠者》も、七罪結晶の召喚物を三対同時に相手にするのはきついのか、徐々に身体に力がこもっていくのがわかった。
「手伝えって言われても…………」
脳内で今できるであろうことを全力で探す。
今雁金さんが獣たちを抑えてくれているあいだにできること、今多の捜索、もしくはエンヴィへの突撃だ。
前者はただでさえ時間がかかる作業な上に、現状優先させてしまっては雁金さんが持たない。後者は今回一番の問題、謎の障壁によってもたらされる物理的攻撃遮断能力のせいもあり、素直に特攻したところで無駄に光輪を消費してしまうだけだ。最終手段である『愚者の道程』は、これまで回収した、正の《悪魔》《隠者》そして負の《月》、これらをうまく行使したところで問題の障壁を破れない可能性の方が大きいと思うため、早急な判断は控えている。
しかしそんなことも迷っていられない現状。雁金さんの「はやく!」という声が響く中、椋の脳内にひとつの声が走った。
『何を迷っている…………。御前はこれまでいろんな選択を独りでこなしてきたのだろう?それでも我が寄り代か?』
それは間違いなく《愚者》の声であった。
(フール?どうして?)
『どうしてとは何だ?』
(いつもならほぼきっかり3日で目覚めるはずなのに、いつもより5時間くらい早いじゃないか)
『我にもわからんのだ。たたき起こされたという方が正しい言い方かもしれんな』
(俺、そんなひでぇことしないぞ?)
『分かっている!そんなことよりあっちだ』
すべてを悟ったかのように目覚めたての《愚者》は椋に語りかける。
『今から言うことを一字一句間違えることなく《隠者》に伝えろ!今回は御前の選択、我が肩代わりしてやろう!!』




