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 『私が知ることだけでは足りないと思いましたので、お兄様に頼んで少し情報を分けてもらいましたわ』

 『お兄様?乙姫のお兄さんってこの学園にいるのか!ってかそもそも兄弟いたのか!』

 『あれ?言ってませんでしたか?』

 『全然知らなかったよ……まぁ別段気にすることでもなかったし』


 なんだか、各寮対抗試合の時に山根から聞いた彼女の|《爆殺姫》《ばくさつひめ》としての過去を聞く限りなんとなくだが一人っ子と思い込んでいたため、その意外性に驚く。

 各寮対抗試合で見せたその実力。今もそれを遺憾なく発揮し、おそらく朱雀の一年生としてはかなり寮間闘技に貢献している方であろう乙姫の兄上。一体どんな強者なのだろうと想像しつつも、乙姫としては今の話題を勧めたいらしく、もう一度わざとらしく咳払いをする。


 『進めますね?』

 『うん、お願いするよ』

 『まず基本的な情報から。朱雀第五寮二年生今多堂太。身長は172センチ、体重55キロ、血液型はB型、4月15日生まれ。ナチュラルスキルは召喚(サモン)系、召喚物はナマケモノ。主な能力は擬態だとか』

 『召喚系か…………………』


 前にフールに言われた言葉を思い出す。『七罪結晶を使う人間の中で最も恐ろしいのは、人工結晶を使い慣れた大人、もしくは召喚系能力を有した子供だ』と。白鳥のことはいまいちわからないが、仮にしら問がそうでないとすると初の召喚系能力者との回収戦になる訳だ。


 『最も面倒なのは巨大化。召喚物自体を超巨大化させることができるとかできないとか。七罪結晶取得前は日頃から積極的に行事ごとに参加する人間ではなかったようなので詳しいことはイマイチ分かっていません。ですが――――――――』


 その後続いた乙姫の言葉に驚愕を抑えることができなかった。


 『これまでの公式非公式含めすべての戦闘で負けたことがないそうです…………』

 『それって…………』

 『お兄様によればそもそも試合回数自体が少ないため何とも言えないそうですが、怒らしたら容赦なく暴れまわるんだとか……』

 『それでも無敗ってのはおかしくないか?』


 椋の場合、七罪結晶の関係でしばらく蒼龍にいたわけで、戦闘自体を避けてきたため一応は無敗記録を保ってはいるが、沙希、真琴、契、懋、少なくともこの四人はすでに無敗ではないはずだ。乙姫でさえ黒崎戦で敗戦記録を残してしまっている。おそらく指で数えられる程度の人数しかこの学園内に存在しないんではないだろうか?

 ふと椋の脳内に不安がよぎったのだ。

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