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 一通り思い出し、それを思いっきり真琴の前で叫んでしまったことが少し恥ずかしくて、少し顔を赤くさせてしまった。


 「恥ずかしがることじゃないよ。アンタはあの状況でやれることを全部やったんだと思う。しっかり沙希ちゃんを助け出したんじゃない!それはとってもすごいことだとアタシは思ってるよ」


 彼女から労いと励ましの言葉が返ってくる。彼女が真剣な顔をしている時の言葉は的確に自分の心の傷をふさいでくれる。そんな気がする。

 

 その後しばらく時間がたち、沙希が椋の病室に戻ってきた。

 なんで真琴と二人でいるのか、ふくれっ面で妙な疑いをかけられたが、先ほどまで話していた内容を真琴が大まかに伝えると、誤解?が解けたようだ。

 最後の部分まで一字一句間違わず、あの恥ずかしいセリフを言われた時は真剣に顔から火を噴くかと思ってしまった。しかし沙希は決してバカにするようなモノではない、満面の笑みで、


 「ありがとう。私にはその力がどれだけすごいモノなのかは知らないけど、あの時の椋は本当にかっこよかったよ」


 きっと真剣にそう思ってくれているのだろう。しかし椋はそれを全力で否定する。


 「俺はかっこよくなんてなかった…。沙希が…あんなひどい子とされてる中這いつくばって見てる事しかできなかったんだ…。それに最後にはこの能力に魅せられて…危うく殺人までするところだったんだ…」


 真琴が呆れ顔でこちらを見ている。

 沙希がセミロングの髪をきゅっと握った後に言う。


 「いいんだよ…。椋はあの時私を助けてくれたの。それは何があっても変わらない事。私には椋がヒーローに見えたんだから」

 

 いくら何を言われようとも、椋の心の中から罪悪感のようなものがぬぐえない。

 今回の事件で彼女の心に傷がついてしまったのは確かだろう。

 

 「…………………」


 椋の口からは言葉は出ない。出ているのは目頭から流れる大粒の涙だけだった。

 



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