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 真琴は続ける。


 「まずは椋、アンタ。あの後気を失って病院直行。とりあえず見た目上は異常無しってことでここにいるわけね」

 「まぁ、そこはなんとなくわかる」


 おおかた予想通りといったところか。問題はそれ以外だ。


 「それから……そもそもね……うん……模擬戦自体にアンタが参戦したって記録を消して対戦相手を契約者…エンヴィとすり替えたの…」


真琴の発言に思わず飲んでいたお茶を口からぶちまける。


「ゲホッ!え?なんでまた?」

「汚いわね!なんでかって都合が良いからに決まってるじゃない!アンタに嫌疑がかからないようにするためのせめてもの配慮よ!」

「つまりですね、白虎コロシアムで暴れ回ったのはエンヴィ、白鳥を被害者にすることで、場をおさめたんです」


はっきりとしない真琴の説明を解説するように女装金田が得意げに口を開く。


「ちょっ、金田!」


そんな金田を止めようとする真琴、何故だかはわかるが、隠す必要はないだろう。


「いいよ真琴。確かにあれだけ暴れた白鳥がお咎めなしってところには正直腹が立つけど、俺にもそれ以上その場をうまく抑える方法が思いつかないし」

「椋……」


真琴が心配げな表情を少し緩める。実際、白鳥はいろんな意味で被害者と言えるだろう。七罪結晶なんて言う悪魔の道具にとりつかれてしまった哀れな人間の一人なのだから。


「それで?そのあとは?」

 

 急かすように椋が聞く。なにせ時間がないのだ。そろそろ登校の時間だ。さすがにこの状況では学校に行けるわけもないのだが、他の3人は別だ。


 「その後ね……特にないわ」

 「……………………………………そんな簡単に収まったのか?」

 「まぁ案の定校長も能力孤児も出張ってきてたからね。けが人とかの搬送でゴタゴタしてたけど、さすがVさんね。一瞬でちょちょいのちょいっと患者を病院に飛ばすし、白虎区の残骸やら瓦礫やらも全部どっかに飛ばしちゃうんだもん」

 「そうか…………………」


 さすがに一切の混乱が起こっていないわけではなさそうだ。覚悟はしていたが目前にするとやはり少し気が重くなる。

 とりあえず後で校長に連絡を取らなくては。と頭の中で考えながらも、真琴に「ありがとう」と一言入れ続ける。


 「まぁ、とりあえず俺はこんなだし多分丸一日は動けないから今日はみんな学校に行ってくれ!」

  

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