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「ひどいっすよ姉さん…………………」
女子にしては少し低い。いや、むしろ最近どこかで聞いた気がする。
というか真琴のことを姉さんと呼ぶ人間はおそらくこの学園にはあいつしかいない・・・。
「金田君か…………………?」
「金田です…………………」
「……………………………………」
沈黙。
「なぁ真琴」
「なによ?」
真琴の返答と同時に女装をした金田を指差す。
「これは………一体なんだ…………?」
「見たまんまじゃない!」
「違う!俺が言いたいのは…………どうしてこうなった………」
「私の見立ては間違ってなかったと言うべきかな!!見てよこの女の子より女の子らしい美少年!!もう心揺さぶられちゃうわ!抱きつきたいぐらいよ!舐め回したいレベルよ!頬張りたいくらいよ!」
椋と新田の部屋で舞い踊る真琴。その発言とともに金田が部屋から逃げ出そうとするが、まるで蛇に睨まれた鼠のようにピタッと動きを止める。
「それ以上逃げると抱きつくわよ?」
その発言で金田が「ヒィィィィ!!」と声を上げ真琴の前に正座をし、頭を下げる。
「勘弁してください!!」
「どんな脅しだよ…………」
潔すぎるその姿は心の底からこの先の現象を回避したいという気持ちがにじみ出ていた。
○~○~○~○
「とりあえず、金田の可愛さについての説明をはじめるわね!」
お茶が4つ並べられた机、椋の横には金田。正面に真琴、その横に新田が座している。
「その前に昨日のあのあとのことを教えてくれ!!」
ボケる真琴を制止し、本題に入ろうとする。
「え?あっ、そうか………」
「本気で金田くんのことしか頭にないんだな………」
もうボケなのか本気なのかわからなくなってくるが、真琴はごほんっとわざとらしく咳き込み、口を開く。
「じゃあ今から昨日の白鳥旭陽戦のあとのことを話すわね」




