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罪機崩し5~非力な者の末路~1

 2062年5月29日 所 自室 時 午前七時頃


 『続報です。先日校舎棟白虎区《白虎コロシアム》で起こった事件についての情報が新たに入ってきました。目撃者の情報によると「先日蒼龍第一寮で起こった女子寮襲撃事件の時と同様に金色の未確認飛行物体が確かにそこに――――――――――』


 プツンっと部屋に置かれたテレビの画面が真っ暗になる。


 「朝からこればっかりだね」


 静かな二人部屋でふくよかな料理得意系男子、新田恭介はお椀の上に箸を起きながらそう口を開いた。


 「そうだね………………」

 

 ベッドの上で起き上がってお粥を食べる椋。『愚者の道程』(フールディスタンス)の後遺症というやつだ。全身が倦怠感に包まれ、一歩も外に出たくないというか出られない。

 精神的な面は根性でどうにかなるものの、肉体的な方は《愚者》が眠ってい現状どうにもできないのだ。

 昨日の戦い。展開した戦闘用フィールドも傾山羊(ピンザ)の必殺技『超集約の赤四角』ファイナルディストネーシションにより紙くずのように吹き飛ばされた。そんなこと予想もしていなかった椋は校長からこういう時のために借り受けた身体回復能力の存在も忘れ、現状に至るわけなのだが。


 「ゴメンね新田君。これ下げてもらえる?」

 「あぁ、はいはい」


 小さな土鍋を新田に回収してもらう。

 起き上がることができないのだ。かろうじて動くのは上半身。それでもだいぶんきついのだが、下半身に比べればまだマシだ。

 

 「それにしてもそんなにすごい技なのかい、ソレ?」

 「まあね…………痛っ………」


 少しでも動くだけで痛い。いやだるい。

 こういう時こそ『愚者の道程』で雁金さんの能力『隠者の秘薬』シークレットメディシンでも使えればと思うものだが、そんなことをすれば発動前にもう一度倒れてしまうことだろう。 


 白鳥との戦闘後気がついたらこれなんだからやっていられない。まだ昨日何があったかも知らない状況で椋はすることもできることもなくベッドに沈むしかなかった。

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