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 この模擬戦。そう、模擬戦。言ってしまえばルールは寮土戦のそれと同じものになる。

 と言っても元のルール自体そこまで細かいものはない。強いて言えばダメージの計算法くらいだ。


 関心がなかったというのが一番強いが、これまで学園生活を送ってきた中で白鳥旭陽という人間が寮土戦で活躍したということを聞いたことがない。

 入学以来全ての寮間闘技を見てきた真琴でさえその名を知らなかった。

 つまり元はそんなに強くないのではないか?と簡単な推測をしているのだが、七罪結晶というモンスターマシーンの前ではそんなものほとんど必要ないといってもいいだろう。


 『では、これより1年宇津井亮治VS3年白鳥旭陽の模擬戦闘を開始します。両者フィールドを展開してください!!』


 金田がマイク越しではあるが大きく声を張り上げ叫ぶ。

 それに合わせ両者が叫ぶ。


 「「フィールド展開!!」」


 本来ならばフィールドを展開するために必要な発声は『コマンドボイス03』、しかしこれはあまりにもダサいとのことでほとんどの生徒はOLの機能を使い別のものに変更している。白虎は例外というかなんというか、生徒全員の設定をこの『フィールド展開』という簡素なものに変更している。共産主義というかなんというか、平等性を求める傾向があるのが白虎である。


 二人の掛け声とともにOLから広がった白の空間はぶつかり合い、巨大な半円を形成する。


 「さぁ、始めようか1年生!!」

 

 そう言って白鳥はその挑発をまとめるかのように取り出した黒のカチューシャを装備し、前髪の下の皮膚を大きく露見させる。簡単に言えばデコが広……ゲフンゲフンッ!

 しかしまあ間違いなくあれが七罪結晶コードネーム《色欲》に間違いないだろう。確か対になる美徳は純潔だっただろうか?全部覚えているわけでもなく、そもそも覚える必要がないため曖昧な記憶ではあるがなんとなく頭に浮かべながらこれまでにない緊張を覚える。

 前髪を上げて印象が変わったのだろうか?先程までとは違い猛烈な厳つさが見える。


 「お手柔らかにお願いします!!」


 そう言って椋も右足を引き拳を構える。

 勝負に持ち込みさえすれば自分が麒麟の辻井椋だということがバレても問題ない。


 『始めてくだっさいっす!!』


 金田の掛け声とともに叫ぶ。


 「『光輪の加護オウレオールプロテクション』!!」 

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