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 ゆっくりと椋の方に向かい伸ばした右腕をがしっと掴んだ白鳥。


 「なんのつもりだ、一年生?」

 「なんのつもりって見たらわかるでしょう?僕は純粋に先輩と戦いたいだけですよ」


 挑発めいた口調で椋が掴まれた腕を振り払う。

 

 「僕が言ってることはそんなことじゃない。それなら時間と場所をわきまえろと行っているんだ!」

 

 先程までのにこやかな笑顔は消え失せ、怒りの表情がそこには見える。


 「そんなでかい態度取らないほうがいいですよ先輩?こっちは先輩の大切な情報を握ってるんですから」

 

 心の中で一応謝りながらさらなる挑発をする。

 

 「はっ!なんのハッタリだ?言ってみろよ一年生!」

 「ほんとにいいんですか?森本先輩に報告しますよ?」


 そう言って椋は己の口を白鳥の耳元まで持って行き、さらにぼそっとつぶやく。


 「(先輩が玄武と繋がってるスパイだってこと…………………)」


 その言葉に反応した白鳥がバッと後ろに引く。


 「とちったか………どこで知った…………?」

 「さぁ?それは教えません。ところで先輩、僕とある賭け事をしませんか?」

 「賭け事?」

 「そう、その賭け事に勝てばこのことは絶対誰にも話しません。もちろん後ろの二人もこの件については何も知らないただの付添人なので心配なさらず」

 

 もちろん全部嘘だ。考えたくはないがもしも負けてしまった場合金田の方から、白虎寮総代表である森本良樹に通報するシステムにはなっている。

 この大きな手柄でもしかしたら金田の現状が破壊できるかもしれない。それもあってのこの作戦だ。


 「で、その賭け事ってのはなんなんだ?」

 「簡単なことですよ。僕が負けたらこのことは一切口外しない。その代わり僕が勝ったら先輩が身につけている黒の人工結晶、いや、七罪結晶コードネーム《色欲》を僕にください」

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