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 所 校舎棟白虎区某所 時 午後2時前 


 


 「行くぞ?」

 

 その問いかけに後ろに控える2人が音を出さずに静かに首肯する。

 緑縁のメガネをかけた少女は少し息を荒らげているが、なんとか大丈夫なようだ。 

 3人はさっと角を曲がり、その先にひとり歩いている生徒に声をかけ呼び止めた。


 「すいません先輩!」


 声をかけたのは椋、少なからず年上であるということは確かなので言葉の最後に一言たしておく。


 「ん……?」


 そんな人間にとっては至って普通の反応を見せ声をかけた相手が振り返る。

 スラッとした体つきに黒の長髪。後ろ姿が女性にしか見えないその男は一切反応を見せないこちらを不信がってか、ゆっくりゆっくりと近づいてくる。


 「君達1年生?僕に何かようかな?」


 ニコッと優しそうな笑顔で語りかけてくる美青年。玄武とつながるスパイでもあるためこの笑顔を簡単に信用していいものかと思ってしまう。いいや、信じてはいけないのかもしれない。

 彼は七罪結晶、コードネーム《色欲》の所持者なのだ。黒崎の一件、エンヴィの出現を直に体験してしまったために自然と体に力が入ってしまう。


 「先輩にお話があります……」

 

 真剣な表情でそう告げる。長髪美青年は不思議そう表情を呆れたような表情に切り替えた。


 「言っておくが僕は男だぞ?告白なら女性にしてくれよ?」

 「違います!!」

 「じゃあなんだというのだね?」

 「ここじゃなんですから…一緒に来ていただけませんか……?」


 身長が少し高い美青年に対してそういう。彼も少し訝しげな表情を浮かべていてが移動のあいだは終始笑顔を振りまいていた。


 移動の間に自己紹介は全て済ませた。ちなみに名前は白鳥旭陽(しらとりあさひ)というらしい。3年生であるということも確認できた。

 

 こちらが教えた情報は金田の本名以外は全て嘘なのだが、白鳥に疑っている様子は一切伺えなかった。



 「ここです」


 白鳥を連れてきた場所は校舎棟内白虎区に存在する模擬戦闘用施設、通称白虎コロシアム。日頃の寮土戦で公には戦うことのできない同寮生同士が模擬戦闘訓練という形で力比べを行うために用意された施設だ。


 「申請は通してあります………どうぞ………」


 右腕全体を使い白鳥をその闘技場の方向へと先導した

 

 

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