表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
321/414

 真琴がわざとらしく喉を鳴らし、話を元に戻す。


 「この両眼鏡は感知。アタシが片眼鏡で見た事のあるエネルギー体がどこにあるのかを教えてくれるってところかしら?簡単に言えばそんなところよ」

 「つまり、さっき見た色欲は探せると?」


 椋が問う。そんな能力があったならはじめから言って欲しかったわけだが、彼女なりの事情があるのだろう。

 

 「そう、探せるの。でも何にでも弱点というか欠点というか、穴があるのよね……」

 「疲労が増すとかっすか?」


 ようやく口の中身をなくし、まともにしゃべることができるようになった金田が椋に続いて問う。まあ、椋も多方そんなところだろうと思っている。彼女がその力を積極的に使いたがらないということは、現状においてそれが皆の足を引っ張ることになるかもしれないからだろう。


 「その通りよ。はっきりはしてないけど確実に制限時間付きね。対象のエネルギー体によってバラバラだけど」

 「じゃあその制限時間?以上使ったらどうなるんだ?」

 「おそらく想像通りよ?能力が解除されて、スタミナもなくなって、またあの時みたいに倒れちゃうかな……」

 「あの時っていつっすか?」


 金田が会話を止めるように割り込んで質問してくる。二人しか知らないことを言われても金田には理解不能だろうし、知りたくもなるだろう。

 

 「ああ、昨日のエンヴィの襲撃事件の時だよ。………て、そういやあの時もその両眼鏡使ってたのか?」

 「うん、けどアレは段違いね。だいたい短くても3分は持つんだけど、エンヴィの場合30秒と持たなかった……アイツ相当やばいよ?」

 「そんなに強いのか?」

 「そう!!そういえば大事なこと忘れてた!!アイツこの学園の生徒じゃない可能性があるのよ!!」


 そんな椋の疑問を吹き飛ばすかのように彼女が慌てた顔で衝撃の発言をする。


 「どういうことだ?」

 「だってアイツ天然結晶を持ってなかったし、そもそもナチュラルスキルの結晶光が一切片眼鏡に映らなかったの!」

 「外部の人間ってことか?」

 「可能性の一つよね、最初に誰かからOLを奪って侵入したとかね?」

 

 天然結晶を持っていないということは、少なくとも18以上の人間か?しかし奴は辻井椋という名を知っていた上に椋の現状までもを掴んでいた。知り合いでも知りえない情報をどこから手に入れたのか?

 ほかにもいろいろな疑問が一気に頭をめぐって行った。

 『可視化の両眼鏡』の話題なんてすっ飛ぶほどの衝撃情報に椋の頭は半パニック状態に陥っていたのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ