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「だからそれは!!」
わかっている。ここで否定を入れたところで金田が引き下がらないであろうことなど。確認のようなものだ。彼に本当に体を張るだけの覚悟があるのかの。
「危険なのは……わかってます。でも僕は僕を変えたい!小さな変化でもいい……きっかけは自分で掴みたいんです!!」
愚問だっただろうか。彼の表情を見ればそれはわかる事だった。
彼も椋と同じく柊真琴という人間に救われた人間なのだ。彼女の言葉に、彼女の気持ちに。
確固たる意志を持った瞳。迷いのない表情がそれを物語っていたのだ。
「わかった……、でも約束だ。七罪結晶の所持者及びエンヴィが現れたら直ぐに俺に領土戦の対戦を挑んでくれ」
「なんで辻井君に?」
理由はちゃんとある。
「まず一つ、領土戦の対戦は同寮生に仕掛けられない。故にもしこの寮内の生徒が所持者であるなら君は戦闘フィールドなしの危険な状態に陥る可能性が高い」
「は、はぁ……なるほど……」
「もう一つ。エンヴィはおそらく戦闘拒否ができる。あいつも俺と同じこのOLを持ってるからね……」
自分の不注意で盗み出されてしまったOL。侵入できるセキュリティや閲覧出来る文献、さらに内蔵された権限までもが完全に元のOLの上位交換品だ。椋も素性を明かさないためにも蒼龍にいたとき何度か使用したことがあったのだ。
そんなわけで金田はエンヴィとの戦闘では修復フィールドを展開することができない。
「だから辻井君と……」
金田が納得の表情を見せそう呟いた。
椋自身先ほど考えついたものではなく、事前にこういう時のために考えていたのだ。まさかそれが金田になるとはまさか思ってはいなかったわけだが。
「まぁそういうことだね。じゃあよろしく頼むよ金田君」
そう言って椋は右手を彼に差し出す。
彼を受け入れるための握手だ。それに気がついたのか、表情を元に戻した真琴がそれの上にさらに手を重ねる。
金田にアイコンタクトを送り、彼も上に手を置くようにと催促する。
「はい!!」
パシッとろうかに三人の手が重なる音が響くと同時に、三人の心も一度ひとつにまとまった。
正月はバイトで忙しいので
火に1話Or2話に止めておきます




