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 再び暗いトンネルのような通路が光に包まれⅤが現れる。

 

 「ではお二人も行きましょうか」

 

 Ⅴがそう持ちかける。なんだか後味が悪いがあまり踏み込んではいけないことくらい理解しているつもりだ。この先は例えるなら闇に位置するものなのだ。光の住人は知らなくてもいい世界。知ってはいけない世界。

 

 「そうだね……とりあえずこっちも白虎の第一普通校舎行ってみるか……」


 何も気にしてなどいないふりをし、話を進める。

 

 「そうね……安牌だとおもうわ」


 彼女もこちらのそんな気持ちを察したのか合わせて勢いで話を合わせている。

 

 「白虎の金田雅様は白虎第二寮生です。一応お気を付けください」

 「ああ、そうか……うん。ありがとう」


 とりあえず忠告に対し感謝の意を示す。そういえば彼と接触しないために引越し先は第四寮を選んだったかなと思い返す。彼には色々と失礼なことをした。各寮対抗試合、瞬殺の超バッドゲームをさせてしまったわけでずっと謝りたかったのだが、長らく蒼龍生として生活してきたため接触する機会がなく、未だに詫びを言えていない。

 そして今回も白虎生として潜入する限り彼に顔を合わすわけにはいかない。またしばらくチャンスを逃すことになる。いい加減こういう問題はスッキリさせてしまいたいのだがそれがなかなかうまくいかない。


 「準備はよろしいですか?」


 Ⅴの問いに二人が首肯し、それを確認したⅤが右手を椋に、左手を真琴に向け『二点間推移』を発動させた。

 


 やはりというべきか実に便利な能力だ。発動時に少々のうめき声を上げているようにも聞こえるが、それ以外に後遺症というか代償のようなものが見られない。

 真琴のように極度の疲労が溜まるとか、沙希で言ったら能力自体のせいではないが使ったあとにものすごくストレスが溜まるらしい。

 瞬時に目の前の光景が180度切り替わりいつも見慣れている校舎棟の街並みが眼前に広がる。がとりあえず日差しがとてつもなく眩しい。

 いきなりあのくらいトンネルから出たせいか、この眩しさにまだついていけない。


 「ではとりあえず私はこの辺で失礼します」


 Ⅴが深々とお辞儀をする。その姿勢をとって感謝を示したいのはこっち側なのだが。

 彼はそのまま結晶光に包まれ消えてしまった。

 

 「ありがとう」「ありがとうⅤさん」


 と椋、真琴と続けて感謝を告げた。椋は先のⅤのように誰もいなくなった空間に向かい頭を下げるが真琴にその様子は見えない。

 とりあえず先程トンネルで聞いた地下学園の話は聞かなかったことにして心の奥に封印し、目の前の校舎を見やる。


 「真琴、これ着けとけ」

 「え?ああ変装的な?」

 

 渡したのは紺のキャスケット、そして緑で縁どられたメガネだ。椋自身も蒼龍の時と同じとはいかないためニット帽をツバ付きのものに変え、メガネも白いものに変える。


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