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 緊張取れぬまま挑んだ今日の授業。

 蒼龍とは時間割が違い、ここ一ヶ月の癖がもろに出てしまったりもしたが、普通に乗り切ることができた。

 蒼龍との違いといえば懋だ。やっぱりあいつは馬鹿だ。騒ぐの次元を超えて授業崩壊を起こすほどにクラスを盛り上げ物理の授業を体育に帰るという曲芸をやってのけていた。

 さらなる違いといえばノリの良さだろうか?懋のむちゃぶりを理解しそしてそれに的確にノっているのだ。これは賞賛に値するレベル。唯一相手にしないのは真琴ぐらい。彼女が収めない限り毎時間授業崩壊を起こすそうだ。

 ちなみに新田の話では一週間に一回は必ずこうなるという。

 向こうの寮でも馬鹿な奴はいっぱい居たが懋はずば抜けている。そう感じた今日の授業なのだった。


○~○~○~○


 「今日も一日おーつかれぇ!!」

 

 と超ハイテンションな懋が絡んでくる。時刻は午後3時半。これから中立域の広場にて公開試合が行われるらしく、それが楽しみという理由で懋のテンションはハイパーフルボルテージなのだ。

 沙希はこう言うのにあまり興味がなく、契は用事があるからということで本日の下校は真琴と懋、そして新田だ。


 「アンタは疲れること何もしてないでしょ……」

 

 と真琴がそんな懋に対し本気で疲れたような様子で怒りの表情を向ける。彼女の存在が麒麟第一寮のみんなの5限を守り抜いたのだ。今日の様子を見ていれば疲れるのも当然だ。


 「なぁに言ってんだマコっちゃん!今日はこれからだぜ!!」

 「はいはいわかったわかった……。で、今日の対戦カードは?」


 真琴が流すように聞く。なんだかこの懋が一方的にからぶっている感じが実に微笑ましい。


 「んお?まだ見てないのか?」


 懋が左腕に装着したOLを起動し、十数秒いじったところでウィンドウを可視化させこちらに見えるようにしてくれる。ウィンドウに表示されているのは二人の顔写真、学年、名前、所属寮そして賭けの倍率(オッズ)だ。


 これは学園公認。一種の賭博といっていいだろう。毎日必ず一組こうして抽選で選ばれた生徒同士が戦うというかなり非人道的なシステムなのだが、これがかなりの盛り上がりを見せるのだ。

 蒼龍にいた時も一度だけ見に行ったが、その場に真琴、契、懋、そしてⅨがいるという、まさかのドッペルゲンガー現象が起きそうになってしまったためそれからは一度も行っていない。

 故に椋自身も実は結構ドキドキしているのだった。

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