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何かと色々大久保に謝罪を述べた後、とりあえず連絡先の交換を行うことになった。
面倒なことは一つもない。ただ受信側はOLの受信制限を解除し、送信側のOLと物理的接触を行えばそれでいい。送信側は何もしなくてもいい上に受信側も30秒とかからずに終わる作業だ。合計1分かからないだろう。
椋は青く染まった灰の特別なOLを起動し、自身の目の前にポップアップされたウィンドウを操作してOLの受信設定を解除する。
「いきますよ?」
確認を取るようにそう言ってゆっくりと手を伸ばす。
「もう!のろまやなぁ……さっさとしぃ!!」
「は…はい……」
彼女はどうもせっかちだ。それならむしろ自ら手を伸ばせばいいだろう。と言いたいところだが、今の彼女にはいろいろと顔が上がらない。
彼女がスッと差し出した左手に向かい自分も左手を伸ばしす。
「ひゃんっ!!」
と、大久保のかわいらしい叫びと共に青のOL が少々の振動と起こし、淡く青く光りを放った。
「変な声出さないでくださいよ……」
「ハハハッ…いやなぁ、こればっかりはいくらやってもなれんのやわ」
「そ、そうですか…」
いや、確かに驚くか驚かないかと言われれば 前者の方が多数であろう。
しかしまあ女性のこんな姿を見ることもなかなかないだろう。
(ありがたく拝ませていただきました!!)
『御前な……』
そんなことを思っていると冷たいフールの言葉を受けるのであった。
○~○~○~○
はてさて時は過ぎ現在の時刻は午後の5時を記録しようとしていた。
昼過ぎからの三時間ほどずっと彼女と話していたのだった。
相談を受けていたというべきだろうか?
彼女の大食いについてが大半を占めていた。自身の体調管理のことを相談されても、アドバイスできることは客観的なことだけで、専門家でもない椋にはこれといったアドバイスができない。
1年生が入学してきてから始まったこの大食い衝動はとどまることを知らず、しばらくお腹が空かないと思えば急に空腹で死にそうになるというこのアンバランスさも実に気になる。
一回本気で病院に行くことも勧めたのだが、実行済みだそうだ。
体質上太ることは無いとのことだが、それでも女としてこれは由々し事態なんだとか。
しかし先程から少し引っかかる。というより解けそうで解けない何かが椋の頭の中で絡み合っていた。




