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 かなり正確な位置情報。これだけでも殻にヒビを入れるには十分すぎるというのに先程からフールの気分は少し重たいようだ。

 

 (何言ってるんだフール!何で戦う前からもうそんなに消極的なんだ?)

 

 なぜ凹んでいるのかはわからないが励ますように言う。

 

 『はぁ……椋よ、御前は黒崎戦で何を学んだんだ?』

 (黒崎戦か……)


 ため息混じりにフールが投げかけてきた設問。

 何を学んだ?


 (まあ尾裂狐の存在感は凄かったよな……)

 『考えても見ろ、椋。アレは複合戦闘なんてできない上に原石の使用にも慣れていない、しかも自身の能力は特殊(ユニーク)系なガキが使った結果なんだぞ?そんなガキがあれだけの破壊力を持った生物を召喚した。我にはこれが恐ろしくて堪らんのだ……』

 (つまりどう言いたいんだ?)

 

 なぜか少し遠回りに行っていいるような気がするその発言に、しっかり聞き返す。

 

 『我が恐れているのは2つだ。一つはそれが天然結晶のナチュラルスキルが召喚系のガキがアレを拾っているんではないかということ。もう一つは大人、長年人工結晶を扱ってきて原石を使用することに慣れてしまっている人間があれを拾えば恐ろしいことになるだろう……。それに先程あの優男が言っていた襲撃事件というのも気になる……』

 (そうか……黒崎は七罪結晶の使用についてはど素人だったんだもんな)

 『まあそういうことだ。椋、御前はその素人が使う召喚物にも歯が立たなかったのではないか?』

 (うっ……痛いとこ突くな……)


 日頃から召喚系能力を使っている人間が七罪結晶を使う。確かに恐ろしいかもしれない。意思の疎通法も、召喚時に召喚物に送るエネルギーの調節なんかも10年以上も行っていれば曲芸のようにこなせることだろう。

 そしてフールの言う大人に出回っている可能性。青山から聞いた昨日の教師襲撃事件でもそうだが、アレはその教師が所持していた《嫉妬》の結晶を《強欲》の所持者が奪い取るための行動だろう。アレは大人にも七罪結晶が出回っているということを意味しているのだ。同時にこれは安直に恐ろしい事態を表しているものでもある。つまりその《強欲》の所持者は戦闘面から見ても教師よりも強い存在なのだ。そのうえ不可解な点がいくつかある。教師専用のOLは暴走した生徒を止めるための権限があるのだ。なぜその襲撃された教師はそれを使わなかったのだろうか?

 この一件は気になることばかりだ。


 『実際にそうだろう。我が言いたいのはつまり見つけるまでが簡単でそこからが難しいというということだ!しっかり心に刻んでおけ!』

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