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 「ところで少年。君は今『強欲』をどこに保管しているのだ?」

 「保管?『強欲』は試合中に粉々に砕いて破壊しましたよ?フィールドの効果が適用されないように一度フィールドの外にも出しました」


 そんな椋の発言の村本の顔が一気に曇る。

 

 「これは山根君も知らない情報だったな……」

 「何がですか……?」

 

 村本が暗そうな表情を吹き飛ばし、先程までの覇気のある面持ちに戻ると、衝撃的な発言をする。


 「七罪結晶の物理的破壊は不可能なのだよ」

 「!!?」


 全身に寒気にも似た驚愕が走る。言っている意味さえ理解できなかったのだ。


 「言葉の通りだよ。あれにはおおよそ核と呼ばれるものが存在しない。どこを破壊されようと自然に一箇所に集結し修復されてしまう。いわば呪いの様なものなのだ」

 「じゃあ今『強欲』は!?」

 「君達の試合、確か最後は麒麟寮で迎えていたな?」

 「はい……第一寮の前で……!!!!」


 もしも、いや確実に第一寮のどこかに修復された『強欲』が落ちているはずなのだ。

 拾える人間は前提として麒麟寮の生徒。そして絞るとしたら第一寮の生徒、という事になるんではないだろうか?

 これは最も恐れていた事態だ。七罪結晶が高確率で身近な人間にわたってしまう可能性が出てきてしまったのだ。


 「でもさっきの命令書には破壊とも書いてたじゃないですか?どうやってその物理的破壊ができないものを破壊しろと言うんですか?」


 とりあえず一度気を落ち着け、村本に問う。

 

 「もちろん方法は存在する。これを受け取りたまえ」


 そう言って村本は机の中から取り出した本のような長方形の物体を取り出し、こちらに向かってそれを投げる。

 ナイスコントロール。放物線を描いた長方形の、こう見ていると本に見えなくもないそれをキャッチし、それ見る。


 「それは『七徳集箱』(イノセンスボックス)。七罪結晶を封印するために作られた唯一の対抗手段だ」

 「七徳集箱?」


 箱という単語に引っかかり、それが開くのかどうかという好奇心に駆られ長方形の集箱を弄り回す。

 案の定長いほうの辺の中央辺りにあるボタンで簡単に開いたそれは何とも不思議な形をした真っ白な塊が7つ収められていた。

 

 

 

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