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15

 

 その前にとりあえず、一度沙希を避難させなければならない。

 「沙希はいったんここから非難してくれないか?」

 「いやよ!私も戦える!」

 確かに戦えないことはない。しかし彼女のナチュラルスキルはあまり戦闘には向いていない。普通の中学生は戦闘になること自体珍しいのだが…

 「だめだ…ここは絶対危なくなる。それにさ…」 

 言葉が詰まる。決めていたことだが、いざそうなると結構勇気がいるものだ

 「俺さ…この前のこと全部思い出したんだよ…帰ったら絶対に話す。けどそれって…待っててくれる人がいなくちゃダメだろ?」

 決して死ぬと決まったわけじゃあない。

 だが今の小林はおかしい。軽く理性もとんでいる。

 奴の能力は非常に殺傷能力が高い。最悪の場合も考えないといけない場面だ。

 それに助かったとしても女の子の体に傷後が残るような傷をつけるわけにはいかない。

 

 椋のいつも以上に真剣なまなざしに無理やり了承させられる。

 これは自分を守るためなのだと沙希も理解している。


 「わかった…でも…絶対に帰ってきてね?」

 「ああ…何があっても絶対に沙希の所に行くから…待っててくれ。」

 「うん…。約束…だよ?」

 といいながら細く白い右腕の小指を突き出してくる。

 いつの時代のおまじないだよ…。と思いつつも、しっかり自分も小指を突きだし、沙希の小指をギュッと固く結ぶ。

 「ああ…約束だ!」

 ゆっくり指を話し、沙希に倉庫から出るように促す。

 小走りをしながら、少女が倉庫から出ていくのを笑顔で送りだした。



 改めて、目の前の下衆野郎を見る。

 「やっとお話は終わったかなぁ?待っててあげたんだから少し感謝してほしいね。」

 「うるさい!オマエの言葉なんて聞きたくない!」

 断固たる意志で突っぱねる。

 「つれないねぇ……。こっちが用意した計画通りに進んだらもっと面白いことになったんだけ…」

 「黙れ!!」

 小林の言葉を途中で遮るが、なぜか今日の小林は異常なほどおしゃべりだ。そもそも口調が違う。話してるだけで不愉快になるような、そんなしゃべり方だ。

 「あれあれ?ちょっとばかし能力が使えるようになったからって余裕かましちゃってるわけぇ?」

 否定できない。能力というのをはじめてつかうが、これほどに素晴らしいものなのかと思うと、依存してしまいそうなほどだ。

 

 椋と小林が向かい合う。

 椋の両手首には光の輪が、小林の両手にはサバイバルナイフが2本。

 正直言ってとても不利な状況だ。こっちは0距離からなのに対し、向こうはある程度のリーチがある。

 これは思っていた以上に不利だ。


 しかし考えたところで状況は改善しない。

 できることはただ一つ。

 全力でこの下衆野郎をぶっ飛ばすことだけだ。

 

 

 

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