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学生たちの楽園3~各寮対抗試合~ 1

 『各寮代表選手の紹介です!!蒼龍寮代表、須山水鏡(スヤマスイキョウ)君!』

 という司会らしき人物の声と共に、会場の東側に椋の来ていたもとは少し色が違う、背中には大きく蒼龍の紋章が刻まれているユニフォームを着た、坊主頭の青年が会場の中央に進んでいく。

 彼は軽く一礼すると、その場から一歩下がり、その場で待機する。


 『白虎寮代表、金田雅(カネダミヤビ)君!』

 次は西側から名前だけ聞いた感じではこの人も女性かと思ったが、短髪の少年が中央に向かって歩きだした。身長が低く、中学生にギリギリ見えるか見えないかぐらいの少年の背中にはやはり大きく白虎の紋章が刻まれている。金田も須山と同じように中央で一礼し一歩下がって待機した。


 『麒麟寮代表、辻井椋(ツジイリョウ)君!』

 と自分の名前が呼ばれたため、先程の二人と同じように立ち位置からスタジアム中央に向かう。かなりの重圧と視線を感じる中、会場の中央で一礼し、金田の横に待機する。


 『朱雀寮代表、坂本乙姫(サカモトオトヒメ)さん!』

 と本日知り合ったばかりではあるが、銀の長髪の彼女の名前が呼ばれる。

 異様なほど綺麗な姿がだんだんとこちらに近づいてくる。ニコッと彼女がほほ笑むと、表情をすぐに元に戻し観客に向かい一礼する。

 椋のすぐ隣につき、ボソッと、

 「よろしくお願いしますわ…。」

 とだけ言い、すぐさま綺麗な姿勢に戻った。


 『玄武寮代表、黒埼泥雲(クロサキデイウン)君!』

 彼の登場と共に椋に、いや、会場全体に異質な空気が流れる。一体何人ほどがこの謎の異変に気付いているのだろうか?

 一言で例えるなら気持ち悪い。彼を罵っているわけではないのだが、自然とそんな表現が出てきてしまう。

 見た目は高身長な青年なのだが、オーラというのか、言葉では説明できない何かが彼にまとわりついているような、そんな気がしたのだ。 

 それを感じていたのは乙姫も同じらしく椋に、

 「あの方は気を付けた方がよさそうですわね…、最悪命まで持って行かれそうな気がしますわ…。」

 ボソッと忠告を飛ばしてくる。

 それを首肯で受け取り、再び黒埼に目をやる。

 彼が中央に到達すると、ほかの4人とは違い礼はせずに乙姫の横に着く。


 『以上、今回の選手たちです。みなさん、盛大な拍手を!』

 という司会の掛け声とともに、気持ち悪い空気が消えていく。

 『ではみなさん、くじ引きを開始したいと思います。』

 というと、いまどき珍しい電子ではないくじ引きが司会者のわきに挟まれていた。

 箱の中には5本の棒が入っており、それぞれに1~5の番号が刻まれており、それにより対戦カードを決めるとのことだった。

 5人がそれぞれの棒を握ると、司会者の掛け声とともに、それを同時に引き抜いた。


 須山は1、金田は4、乙姫は2、黒埼は3、そして椋は5番の札を握っていた。

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