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 すっかり眠ってしまった優奈をおんぶしながら、真琴は自分の病室に戻る。

 このまま起こして家に帰そうかと思ったが、あまりに気持ちよさそうに眠る妹を見て、その気も失せた。

 眠ってる優奈をベットに乗せて、真琴もその横で添い寝する。

 優奈のことを思っているのか、自分の私欲を肥やすためなのかは不明だが。

 真琴も疲れていたのか、睡魔が襲ってくる。

 瞼が重くなる中(あの沙希っていう娘、なかなか可愛いかったな………いやいやいや!アタシは優奈ちゃん一筋なんだから!!いや…でもぉ…)

 そんなどうでもいいことで悶絶する真琴であった。


 さすがに面会時間をすぎてまで優奈をここで寝かしておくわけにもいかないので、優しく優奈の体を揺すり起こす。

 優奈は可愛く小さなあくびを左手で抑えている。眠たそうに眼をこすっていると、周りの暗さに気が付き、何となく姉が言いたいことを理解したようだ。

 「ありがとうね…おねぇちゃん。」

 「気にしないで、もうママ呼んでおいたから、ロビーまで送るね。」

 そういいながら、再び優奈をおんぶする。

 優奈も姉の背中が落ち着くのか、再び目を閉じる。

 照明に照らされた静かな廊下を、できるだけ振動を立てないように歩く。

 「ねぇ…、おねぇ…ちゃん。」

 眠たそうな声で、優奈が問いかけてくる。

 「ん?なにかな?」

 「あの…辻井ってお兄…ちゃん、何者?」

 「えっ?」

 最後にそれだけ言うと妹は、姉が問いを返すよりも早く、再び深い眠りについてしまった。


 

 

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