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 「僕も一度しか見たことがないんだけど、蒲生さんっていう人が作り上げたオリジナルの超巨大コアがあるんだ。原石って呼ばれてるんだけど、あれもいくら削られても、原石の核さえ残っていればいくらでも再生する。その原石から採掘される結晶でも核に近い部分ほど結晶の純度が高く、容量と処理速度が高くなっていくんだ。それが従来製品以外の物、本物の人工結晶さ」


 誰が何をいうこともなく、契は続ける。


 「ブラックボックスだよ」


 原石とやらの事をいってるのだろう。


 「ブラックボックス……」


 椋の言葉に契は頷く。


 「そう、原石の正体を知っているのは蒲生さんだけ。僕達の知ることを許されているのは、それにあらゆる情報を保存する事ができるということ、それと何らかのエネルギーを吸収させることで、その情報から得た事象を改変するということ、改変前Aと改変後Bの情報を原石の欠片に刻んでおけき、エネルギーを流し込むと、A~Bという流れを作り事象の改変を行うことができるということだけだよ。何で原石にそんなことができるか何て事はだれも知らないんだよ……」


 少々苦そうな顔をし、契はさらに続ける。


 「科学の力なんて言われてるのは、ただ原石に情報を刻む技術を人間が作り上げ、原石の欠片に送るエネルギーを機械を使い、人間の脳内で作り上げたってだけなんだよ」


 そういうと、契は先程三人に渡した2つの人工結晶を回収し、自らの指にはめる。


 「ちょっとみててね」


 彼の従来型の指輪が小さく光ると、彼の手のひらに何かが集結していく。

 スーパーボール程のサイズに集まった何かが急にポンっと可愛らしく爆発する。


 「これは、空気中の水分を水素にまで分解して、それを一点に集結させ、水素爆発を起こす。核爆弾みたいな放射性の水素じゃないから反応が遅いんだけどね」


 そういい、次はもう片方の人工結晶をはめ、先程と同じことをする。


 バァァァンッとしゃれにならない爆音をあげ、手のひらに集結した何かが爆発した。


 「これが本物と偽物の差だよ」


 いい感じに決めた契だがその後火災報知器が鳴り響いたのはいうまでもない。

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