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14

 懋が会場の中央、球形液晶があった位置まで移動する。

 瞳を閉じうつむいている懋の右耳から青色の光が放たれていく。

 純度の高い青の光は懋の両手に集中し、そのまま二挺の拳銃を形成した。

 

 休息を取る3人が見つめる中、彼は不思議な行動を起こした。

 会場の四つある扉に向かって、空砲を何度も何度も撃っていたのだ。

 それほど音も大きくないため威嚇にもならないであろうそれをただ淡々と繰り返していく。


 「来るよ!」


 という真琴の掛け声とともに、すべて扉が開き、そこから何人もの人が流れ込んでくる。

 あからさまに敵意を持ち、武器を構えた物騒な連中だ。

 懋が右手に構えた拳銃を天井に向けて一発、先程までとは音の違う、爆発音のような音を鳴らすと青い炎と共に

 これまで撃ってきた空砲のもし実弾が入っていたのならば通ったであろう弾の軌道をしるしたかのように、複数のラインが部屋中を駆け巡る。

 懋が調整したためか椋立つ4人には一切ラインが重ならない。

 

 先程の射撃に反応して、敵側の大多数が攻撃を仕掛けようとしてくる。


 「安心して、痛くはないよ」


 そういうと左手の拳銃を天井に向けもう一度発砲する。


 その光景を見ていた真琴は驚愕する。

 青い軌道線の懋側のギリギリの所に拳銃の弾のようなものが形成され、それが爆音とともに何十何百と放たれていく。

 これまで撃ってきた空砲すべてだというのなら数えきれないだろう。

 ドドドドドッと爆音が続く中次々と侵入してきた連中が倒れていく。

 弾は跳弾を続け椋達五人を除くすべての人間に当たるまで止まらなかった。

 

 「おけー!!終わったぜ!!」

 「「「お疲れ!!」」」

 

 その言葉と時を同じくし、12通目の更新メールが届く。

 残り人数66人、残りグループは19とのことだった。


 「チームメンバーを失って、勝機をなくした奴等が集まって、チームメンバーの敵討ちってところかな?」


 契がメールを見て冷静にいっていたが、全員やられてたら意味ないじゃんと冷静に突っ込みをいれたい椋なのであった。


 椋はこのたった36分という時間のなかで、一度あった事があるたげの懋ともかなり信頼を築けたと思っていた。


 契も懋とハイタッチを交わすなど、今日あったばかりの彼らとこれまで長い時間を過ごしてきた仲間のようになれた。


 椋のこれまでの生活では一切考えられなかった、幸せを感じられる光景だったのだ。

感想とか評価とかいただけたらありがたいです。(*´∇`*)

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