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 船が遊泳を開始してから、そろそろ2時間が経とうとしていた。

 相変わらず会場は賑やかなムードに包まれ、今でも椋達4人は様々な人間に取り囲まれ質問責めにあっていた。

 他の入学生は特別な試験があることは知っているようだが、『確認の間』での試験内容は噂程度にしか知られて居られないようだった。「どんな内容だったのか。」という質問が飛び交うが、あの部屋での試験はあまり口に出したくはないし、聞いた相手も気分が悪くなってしまうような内容だと思ったので、あえて発言は控えたのだ。

 ここに群がる人は、これから何か起こる可能性があることに気がついていないだろう。

 群れの中心にいると分かるが、ここに来ないやつは大抵何かを警戒しているように見える。椋達と同じように。

 

 何かに注意を払っているときほど時間の経過を遅く感じてしまう。

 会場の中央に設置された巨大な球形の液晶画面に表示される小さな時計を見ても一向に時間が進んでいるように感じない。時計は7時53分を示していた。椋達が一度会場を抜け出した時からもう1時間半ほど経とうとしている、そろそろ集中が切れてしまいそうになっていた。

 起床が早かったため眠気までが同時に襲い掛かってくる。


 しかし、次に起きる出来事を見た瞬間にそんな眠気も吹っ飛んでしまった。

 時刻が7時55分になった瞬間、球体液晶に表示された小さな時計の表示が突然5分間のカウントダウンに変わった。

 気づくもの気がつく。


 「来たぞ!」


 という椋の声に反応してほかの3人と共に再び展望デッキへ移動する。もう一度人ごみにモミクシャにされるのは面倒だが、今はそんなことを言っている場合ではない。

 

 別にの群集の下の床が抜けるというわけでもないし、逃げる必要があったのかはわからないが、とりあえず準備ができていた方がいいのは確かだ。


 小さく表示されていた600秒のカウントダウンもそろそろ終わり近づいてきている。

 残りが5秒になった瞬間、液晶の画面最大の大きさでカウントダウンをし、閉めようとしていた。

 突然5秒前からカウントダウンが開始されるのを見て不思議がっている人もいたが、大半は何かの出し物としか思っていないはずだ。

 4……3……2……1……0

 と表示がついに0を迎えた。

 球形の液晶の表示が切り替わり、ある文章が表記されていた。


 【今からレクリエーションを開始いたします。】

 

 椋そんな簡単な一文を見てなぜか嫌な予感しかしなかった。

 

 



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