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 4人は目前に迫る港まで徒歩で移動していた。

 辺りはもう明るくなってきているが、時間的にもまだ人通りは少ない。

 そんな道を談笑しながら歩いていた。

 

 3人の予想では、この後船で島まで送り届けてくれるはずだった。

 それならこんなに早くに集合する意味にも納得できる。船での長時間の移動を覚悟し、ようやく港に到着した。

 大量の漁船と思われる船が停泊する中、ひときわ大きな、まさに豪華客船といったような船がそこにはあった。

 周囲の風景と比べると、場違いにもほどがあるといっていいほどのものでだ。

 

 椋達はそれに乗るものだと確信し、その大きな船に向かう。

 船の入り口付近までたどり着くと、【花車学園第3期新入学生】と書かれた立札があり、矢印でそのまま誘導されるように船の中へ侵入する。

 階段を上り、重い扉を開け暗い空間を抜けると、椋達に衝撃が走った。

 華美な服装の男女が語らっているウェイターが忙しそうにあたりを走り回っている。その大きなホールには見た感じ既に300人を超える人が詰め込まれている。しかし驚きはそこにではなく これだけの人数がいるのに、まったく狭く感じられないほど広かったのだ。

 つまりこの船は島までの移動手段のための豪華客船ではない。

 船自体がパーティー会場だったのだ。そう解釈するのにさほど時間がかからなかった。


 とりあえず、立ち尽くしていると、すぐに女性の係員が現れ、中に案内される。


 「おめでとうございます。お名前の御確認だけさせていただいてよろしいでしょうか?」


 別に断る必要もないので、皆素直に答えていく。


 「えっと……、辻井椋です」


 ほかの三人もそれに続きササッと自己紹介を済ましていく。

 係員が少々驚いているような反応を見せた。

 

 皆が自己紹介を終えると、係員からあるもののが手渡された。

 名前と数字が書かれ、その後にGと表記されている腕輪だった。

 ほかの3人にも同じものが配られていく。しかし真琴だけが最後のアルファベットがAと他3人と異なっていた。

 全員がその腕輪を装着し終えると、係員が腕輪についての説明を開始した。


 「それは自己紹介をするための腕輪です、自分の名前と自分が入学試験で受けた試験内容をアルファベットで表したものとなっております。数字の方はあまり気にしないでください。では本日はパーティーをご堪能ください」


 係員がそう言って4人に道を開ける。

 

 早朝だというのにいやというほど盛り上がる会場に向かって4人は足を踏み入れた。

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