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紅い果実  作者: 酒田青
童話的小品集たち
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31/58

赤い目の少女

 赤い目の少女は、オレンジ色の髪なびかせて、にこにこと笑って、夜の浜辺に遊んでいました。

 月は三日月でした。季節は冬でした。波の寄せたり返したりは激しく、氷のような海水は少女の足を濡らしました。

 いるかがやって来ました。いるかは鳴いて、少女を沖から呼びました。

 赤い目の少女は、いるかに向かって大きく手を振り、海に飛び込みました。

 そして、いるかに追い付くと、ひれにつかまって遠くの海へと連れていかれました。

 浜辺には、たくさんの人がおりました。

 人々は壊れた船と共に、陸に打ち上げられていました。

 人々の目は空虚でした。目玉が無くなっていたからです。

 大勢の骸を残して、赤い目の少女は新しい船を探しに行きました。


 《了》

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