表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紅い果実  作者: 酒田青
紅い果実とその他の短い幻想ホラー
22/58

鶯が鳴く

 私の右足のくるぶしには小さな赤色のドアがあって、時々キイと鳴って開く。

 悲しいときはギイと鳴り、嬉しいときはパタンパタンと鳴る。

 中から飛び出すのは小さな鶯だ。ホウ・ホケキョと鳴きながら、数羽が飛び発ち遠くに行ってしまう。そのあとはしばらく帰ってこない。

 一羽だけ、ドアの内側に隠れている。お茶の色をした丸い小鳥はホウ・ホケキョと呟きながら後退り、ドアも閉じる。

 その一羽は私の中を飛び回るのだ。足だろうが腕だろうが頭だろうが、スイスイと飛ぶのだ。

 ホウ・ホケキョ、と頭の中から聞こえる。口を開くとよりハッキリと聞こえる。鶯が舌の上に蹲っているからだ。

 だけどしばらく経つと、鶯は体の奥の方へと消えていく。


 《了》

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ