表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紅い果実  作者: 酒田青
紅い果実とその他の短い幻想ホラー
12/58

一列

 夕暮れの角の民家の陰から黒猫が、一匹、二匹、三匹、四匹。

 五匹、六匹、七匹、八匹。

 寸分たがわぬ滑らかな動きで、黒猫が次々に角を曲がって一列に歩く。

 僕の目の前で、黒猫の隊列が永遠の直線を描きながら行進してゆく。

 小さな背中のうねりや垂れた尻尾はコピーのように正確に揃っている。

 ナーオ。

 列の前の方から猫の声が聞こえる。

 その瞬間、猫たちの金色の目がぎらつく。

 隊列は突如として動きを停止する。

 ナーオ。

 ナーオ。

 ナーオ。

 ナーオ。

 黒猫たちが一斉に鳴き出す。

 夕暮れは赤くなる。

 黒猫の直線は道並ぶ民家の塀の成す黒い影の一部になる。

 ナーオ。

 ナーオ。

 ナーオ。

 影が鳴き出す。

 影は真っ直ぐな線を描きながらうごめいている。

「あなた方の知らせを聞きたいのです」

 僕は目の前に居並ぶ黒い影の一部に話しかける。

答えは―――。

「コノヨノオワリ」

 影はしゃがれた声で言う。

 影の中に見える一列に並んだ金色の目が輝く。

 そして鳴き出す。

 コノヨノオワリ。

 コノヨノオワリ。

 コノヨノオワリ。

 コノヨノオワリ。

 影の合唱はいつまでも続く。


 《了》

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ