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② インボイス制度の国民負担の増加

筆者:

 さて、後半では消費税について語っていきます。


 消費税増税を促す流れがあるというのがまず気に入らないですね。


 経団連が各年度の税制改正に向けた要望で、

 「若い世代が将来不安なく、安心して子どもを持つには全世代型の社会保障改革しかない。それには消費税などの増税から逃げてはいけない」

「法人税減税で人やモノへの投資を促進し、持続的な経済成長を実現すべき」


 とか言っちゃっているのは本当に失笑しました。


 法人税減税は減税の中でむしろ一番国民にとって効果が無いと言えます。

平成初頭には40%だった法人税は今や23%です。


 それに対して日本人の給与・可処分所得はこの30年で40万円~60万円ほど下がりました。法人税減税でトリクルダウンというのは起きないのは明らかです。

また、タックスヘイブン(法人税無税地域)が世界のどこかにある以上、法人税を下げることに海外企業が来る意味はありません。


 法人減税分は役員報酬と配当に行っただけですからね。

 経団連が消費税を猛プッシュしているのは輸出による還付が受けられるために、実質的にグローバル大企業にとっては関係のない増税話だからなんですね。

 


質問者:

 それは本当に酷いですね……。大企業からの票欲しさのためにやりかねないのがまた恐ろしいです……。


 消費税と言いますと、23年10月1日からいよいよインボイス制度が始まるわけなんですけど、

 これについて何がどう問題なのか教えていただけますか?



筆者:

 まず、このインボイス制度の概要についてですが、取引の正確な消費税額と消費税率を把握することが最大の目的です。


 現在軽減税率8%と、標準税率10%の二段構えとなっているので、2%分の不当利益が生まれる可能性があるから、正確に把握する必要があるのです。



質問者:

 よく売り上げ1000万円以下の免税事業者の益税を解消するためだという話もあるのですがこれについてはどうなのですか?



筆者:

それはお題目だけで本来の精度趣旨ではありません。


インボイスに加入して10%負担するか、企業との取引を解消するかの2択を迫られている方も現在の免税事業者の中でも多いのではないでしょうか?


企業側が消費税を負担したくないために取引関係の見直しを行う可能性が高いです。名税事業者は1000万円以下の立場の弱い方々ばかりですからね。

 ほとんどの場合は企業側が消費税分の値上げに応じることは少ないでしょう。


 更に、非課税業者のままの取引相手と取引しても経費として精算しないと通達されている企業もあるようです。



質問者:

 精度趣旨に無いってどういうことなんですか? “益税を無くす制度”と言われているのは何なんですか?



筆者:

 そのお題目は、調べる時間が足りない国民を煽り、制度を正当化するための政府側のプロパガンダと言えます。


 そもそもの話として皆さんレシートで「消費税10%」とか印刷されているので勘違いされていると思うのですが、消費者は、消費税を納税していませんし、支払う義務もありません。


そして、消費税分は、対価の一部にすぎず、預り金ではありません。

つまり、益税というものは存在しないのです。


 1990年東京地裁判決では「益税、預り税ではない」という判断がなされていますし、23年2月10日 衆議院内閣委員会の答弁でも「益税は無い」と金子財務大臣政務官が述べています。


 これもまたガソリン補助金の時と同様に「預り金」や「益税」だと報道しているマスコミの理解不足によるミスリードだと言わざるを得ない状況なのです。

 理解してやっているのだとしたら本当にマスコミは害悪と言わざるを得ません。



質問者:

 その話は、これまでの消費税に対する理解が根本から揺らぎますね……。


 

筆者:

 ちなみに、インボイス制度によって増える税収はわずか2500億円と言われています。

 先ほどのガソリン補助金の“無駄”をなくすだけでも簡単に回収できるレベルです。

 

 その上で声優の7割以上が年収300万円以下で、約2割がインボイス制度開始で廃業を検討しているという話もあるようです。


 このように、わずかな増収のために国民を苦しめるだけのふざけた政策なのです。



質問者:

 この問題についてあまり広がっていないのはやはり免税事業者以外の一般国民の影響が無いからでしょうか?



筆者:

 皆さんの興味が無い最大の理由としてはそうだと思います。


 ところが、あまり見えにくいところで一般国民にも影響が出るんですね。


 まずは電気代が上がるのではないか? と言われています。

これにはFIT(固定価格買取制度)によって太陽光や風力といった再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定の価格で一定期間買い取ることを国が保障する制度が関係しています。


FITで電力を買い取る電力会社は消費税の課税事業者にあたり、仕入税額控除を踏まえて納付します。

対して、電力会社に電力を売る売電業者の大半は消費税の免税事業者です。そのため、インボイス制度導入以降、電力会社は免税事業者である売電業者からインボイスを受け取れず、仕入税額控除ができなくなります。


 この仕入れ税額控除の差額分が電気代にオンされる可能性があるのです。



質問者:

 ただでさえ電気代が高いのにこれ以上上がる可能性があるんですか……。



筆者:

 また、一般企業の会計事務処理負担も増えることになるようです。


 FLASHという週刊誌の23年9月21日の

『「まじで殺しにきてる」10月開始のインボイス制度、2500億円税収増にかかるコストは年4兆円…「生産性激落ち」で批判殺到』という記事によりますと

 

『インボイス制度の導入で請求書の支払い作業が1件あたり15分、経費精算の処理が5分増えるとみなし、この作業時間をベースに経理1人あたりの追加業務負担を計算したところ、月約1~2分、経理以外の従業員でも1人あたり月約7分、日本全体で月約1.4億時間の負担増となった。


 このデータと、厚生労働省の賃金統計を掛け合わせて人件費を算出したところ、全国で毎月約3400億円分のコストが増える可能性があるという。年間で言えば4兆円を超える負担となる。』


 ということで、免税事業者でない会社であっても無駄に仕事に拘束される時間が増えるわけです。

 売り上げが増えない無駄な労働時間のために会社が給与を余分に払うか、従業員がサービス残業を強いられることになるので本当に意味がありません。


 一方では“生産性向上のための補助金“とかいって一方では企業の生産性を下げるふざけたダブルスタンダード作戦と言えますね。



質問者:

 良いことなにもないじゃないですか……。



筆者:

 インボイス制度は会計ソフト作成会社しか益しないのでそこからお金を貰っているんじゃないかと邪推されますね。


 こういったことも含めて主要メディアが報道していないことがやはり問題だと言えます。


 自民党の世耕弘成参院幹事長は23年9月19日の記者会見で、物価高などに対応するための政府の経済対策について「GDP(国内総生産)の3%前後の規模、少なくとも15兆円、できれば20兆円規模が必要だ」と述べたようですが、


 ずばり20兆円というと、22年度の消費税は23兆792億円。消費税を1年間ゼロにできる金額なんですね。


 中抜き大乱舞の経済対策より消費税をゼロにしてインボイスも一緒に先送りするのが最善と言えますね。


 消費税をゼロにできれば価格が下がって家計が楽になるか、最低でも企業の経済状況は良くなります。日本経済全体にとってプラスになる上に手続きも必要でないので「国民のことを本当に思うのなら」消費税凍結・廃止をやるべきです。



質問者:

 松野官房長官は「一度減税すると税を上げられなくなる」「買い控えが起きる」といったことを述べられていたような気がするのですがそれについてはどうなんですか?



筆者:

 もっともらしそうに聞こえる詭弁に過ぎませんね。


 そもそも無言で社会保障費を上げてきますし、来年から住民税に「森林環境税」という名目で1000円増税されています。

生活必需なガソリンの買い控えがあるはずがないので一時の減税や税の撤廃を時限的に行うことに支障はないはずです。


 こういった、“言葉遊び“を真に受けてしまって説得できるだろうと国民が下に見られ、舐められている証拠です。



質問者:

 な、なるほど……。



筆者:

 減税をすれば全くもって無駄がない(補助金だと使い余りが出る可能性が高い)うえに、ほとんど誰にも負担が無いです。


 

質問者:

 何か減税に対してできることってないのでしょうか?


 

筆者:

 目下、行われていることとしましては

「STOP!インボイス」のオンライン署名が22日18時半頃、46.6万筆を突破し、50万を超えたようです。

 これは全く報道されていませんが歴代過去最高を記録しているのでそれだけ注目が集まっているということです。


 皆さん少しでもインボイス制度に問題を感じられたのでしたら比較的気軽に行えるので是非とも参加をお願いしたいと思います。


 歴代2位に後退したものが「東京オリンピック2020開催中止署名」だったのでどれだけ効果があるかはわかりませんが、全く何もやらないよりかは効果があると思います。



 ※オンライン署名はインボイス制度撤回まで行われるようですが、国会前で大きなイベントがあるため25日18時半までに行うことでより効果があるようです。

 https://onl.la/QNd2fxg



質問者:

 今できることをやっていったほうが良いということですね……。



筆者:

 座して死を待つよりも、今自分ができる最善を尽くしたいと僕は思っています。

 皆さんも、どんなことでもいいので“今できる最善“について考えていただければと思います。

 

 ということで今回もここまで読んでいただきありがとうございました。

 今後もこうした政治経済について問題点を個人的に考察したエッセイを書いていこうと思います。どうぞよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] インボイスは財務省が以下の筋書き書いてます。 国民「導入して2500億円しかサヤないのにコストバリバリなんてあほやろ」 クズ財務省「なら免税も軽減税率も全部なし!おまえら全員10%払えや、あ…
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