来訪時々嵐
美神が病室を去りはや30分。
先程まで会話で溢れていた病室も個性を失ったかのように静かになった。
少しづつだが太陽も傾き始めてているため窓から夕日がさしてきている。
そんな時にまた新たな来訪者が来た。
「輝ー!来たよー!」
「ほら輝!大丈夫か!」
「お前らうるさい!」
来訪者は要、浩史、沙也希だ。
ドアを開けてすぐ輝に久しぶりに会えた喜びかハイテンションで要と浩史は向かってきた。
その後ろで沙也希は2人を抑えようとしていたのだが失敗していたらしい。
久しぶりに会えるのは嬉しいがハイテンションすぎて...
「輝、なにか困ることない?」
「そうかなら早く黙れ」
要が輝のベッドの近くにある椅子に座るとスーパーの袋から中身をサイドテーブルに置いていった。
だが何か違う。
「ゼリーにプリン...水...お前俺が風邪で倒れたのかと思ったのか?」
「あ!やばい間違えてた!」
要は急に焦った動きを見せると一気にサイドテーブルに置いていった物達を片付けていくがかなり手間取っている。
そんな様子に浩史が要に対しての援護射撃を撃ってくれた。
「輝、要と沙也希の焦り具合やばかったんだぜ?特に要がやばかった...まぁ沙也希もだが」
「おい浩史...恥ずかしい」
浩史の後ろに回り込んだ沙也希は口を無理やり防ごうとするものの浩史の抵抗、沙也希の優しさが相まって成功の兆しが見えない。
「まじか...」
驚きのあまり輝は言葉が出ない。
「まぁ俺は輝が倒れた時本当に頭がショートした...要の方がやばかったかな?言うて浩史も戸惑ってたよ」
「みんな...」
本当に恵まれてるな、そう思うしかない。
少し口角が上がってただろう、輝がハッとした時は少し輝に気を使っているような雰囲気が伝わってきた。
そのムードはそれでしんどいものがある。
「でも輝...目の前で見ていた美神のことを考えてあげて」
突如要が輝のことを見つめるとそう言った。
目からもかなり真面目オーラが伝わる。
「...わかってるよ...というかさっきまで来てた」
「やっぱり」
要は疑問が解けたのか少し晴れ晴れとした顔をしている。
どうやら要から聞いた話。
最近の美神はとても帰りが早いらしく終礼を終わらせるともう既に居ないという状態が続いたそうだ。
なんとなくだがその行動で要は美神の心理を読めていたらしい。
「だいぶ俺...負担かけてたみたいだな...」
「まぁでも輝が悪い訳では無いぜ、実際輝が居なかったら美神が危なかったんだし輝は英雄よ」
珍しく浩史が輝を褒めている、今日は雨だも降るのか。
「だから輝はそこまで気に病む必要は無いよ、ただまぁ、美神のことをよろしく頼む」
沙也希はこんな時でも優しく良い案を立ててくれる。
「とりあえずゆっくりしてちゃんと治してから学校に来ること!」
要はいざと言う時とても優しく母性が生まれる。
あのセリフなんてまんま母親のようなセリフだ。
「ありがとう、みんなも気をつけろよ」
輝がそう言うと浩史が「言葉の重みが違うな」と笑いながら言った。
割と上手いなと思ったのが悔しい。
輝の締めの挨拶により3人は病室から出て行った。
時間も日も良い時間なため、もう少し話したい気分はあものの3人の明日を考え寂しいが送り出す。
(ほんと、良い友達ゲットしたよ...嬉しい限りだ)
改めて友という大きな存在を理解した一日だった。
ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)




