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油断時々地獄

地獄のお泊まり(輝の理性)が終わった日の学校。


輝はバレないためにも美神とは普通に接する。


美神もその事輝なりの対応には気づいていたらしくいつもと同じく冷たい反応で接する。


だがその日の昼休み、全てが変わった。


「橘輝!」


「んー、誰だ?」


輝の後ろから何者かに話しかけられた。


場所は食堂だ。


その姿を馴染み深い顔なのがわかった。


食券を買ったので後は持っていくだけというところでのことだ。


「私を忘れたの!幼なじみの馴染要(なじみかなめ)のこと!」


「あー忘れてた、で、用は何だ」


「うわーなんか酷いー」


馴染要(なじみかなめ)

挿絵(By みてみん)


銀髪のロングの髪がよく目立つ。


背はだいたい輝より少し小さめ。


三度の飯より恋バナが好きな人間だ。


そしてテンションが常時深夜テンションなのでせっかくの美人が輝からは残念な美人枠と見ている。


ちなみに男子人気は高いがやはり美神に比べると低い。


輝とは幼なじみな関係。


2人とも大親友としてずっとすごしているため恋愛感情等2人とも湧いていない。


輝はこの時は要が話しかけに来たのは「あのこと」だということは全く気づかなかった。


要の性格を完全に忘れていたために起きてしまった輝自身の甘さが出てしまったのだ。


「ふふふ、すっとぼけても無駄でっせ輝」


いつもよりテンションが高くて何か嫌な予感がして気にならないわけが無い。


そうこの時やっと要の性格を思い出したのだ。


(あ、これ終わったな)


長く要と過ごしていた輝には一瞬で諦めがついた。


「ふふふ、輝、とぼけなくで良いのよ・・・昨日」


「う、き、昨日」


生唾を飲み込み覚悟をする。


もう逃げれない。


逃げてしまえば余計怪しくなり終わりを迎える。


「昨日!美神さんと一緒に家!入ったでしょ!」


「ちっ!ちくしょうバレていたのか!」


要を拘束させ一度食堂から出した。


要は一度恋バナ系の話を聞くと言いふらさないわけが無い。


1番タチが悪いのは事実か確かめてから聞くので余計だ。


「輝、こ、こんなこと」


「ちょっ!変な声出すなよ!」


「や、やだ私・・・」


少し愛らしさがある甘えた声で言ってきた。


そのような言い方になると輝は言い返せない。


そのための行動だ。


「急に乙女になるなよ!」


「ふふふ、さぁ事実となれば後は・・・」


「ちょい待て!」


輝はとにかく止めようとするが要は一度エンジンがつくと止めれるような性格では無い。


でも必死に止めないと輝の学校生活は波乱を迎えまくり終わってしまう。


そのため今要を止めないと終わってしまう。


しかし不幸は続くようだ。


「何やってるの輝、それもこんな人前で」


「み、美神!」


「おーちょうど良きところで・・・いやぁ今日はついてますね」


要は上機嫌な様子だ。


さっきまでの乙女の風格などどこ吹く風となり消えた。


それとは逆に妬いているような様子の美神。


この2人は今面白いくらい対比している。


「美神さんだっけ、まぁいいや美神って呼ぶね」


「まぁ、良いですけど」


「ねぇねぇ昨日輝家に連れ込んだって話は・・・」


「その話は絶対他言無用!良いね」


「あ、はい」


美神の迫真の様子にあの要でさえも引いてしまった。


いつものように敬語で話しかけていた美神の様子が一瞬で変わるのは見ているとすごいものだ。


それくらい美神は迫真だった。


この事件がバレると2人揃って学校生活が終焉を迎えるためだからだ。


そしてこの事件の発端となったのは輝だが事件に繋げたのは美神なため美神自身も罪悪感等がある。


「要、とりあえず飯食って良いか?」


「輝、私はお前のそういうところ好きだぞ」


「そこ好きになられても困るわ」


「へへへ」


要のいつもの笑顔だ。


ずっと見続けているためドキッとすらしない。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「なぁ輝、これどうい状態だ」


「俺が悪かった、すまん」


浩史が輝に小声で呟いた。


今輝達は相席中なのだ。


いつもの輝、沙也希、浩史といったメンバーに今日は美神と要が一緒。


要自身かなり可愛いので傍から見ると美女2人と相席している羨ましい限りの状態だ。


しかし全てがわかっている輝には何も幸福には感じないしなんなら苦痛に感じる。


「ねぇねぇねぇ輝、教えてくれない?」


「だーかーら教えるかって」


要が執拗に話を聞きに来るが輝は冷たくあしらう。


とにかく要の様子は必死だ。


それに気になったのか浩史も乗っかてってきた。


どんどん輝に対して不利に状況が動いてきている。


「なぁなぁ何かあったのかぁ?輝」


「ちょっ!お前、マジで殴るぞ!」


「嫌だなぁ・・・俺とお前・・・友達同士じゃん」


浩史のとても居心地が悪くなるようなニヤニヤ顔で輝に近づいてくる。


浩史は彼女募集中なのもあり自分の恋路を作るために必死なため恋バナはとても必要みたいだ。


しかしそれと対極に沙也希はどんどん顔が青ざめて来ているのが見えた。


よく良く考えれば少し女性恐怖症があるのに要の隣に座っていて脳が限界を迎えていたのだ。


沙也希が脳の限界を迎えフラフラになりかけている。


顔も真っ青だ。


しかし輝は2人に襲われそして美神はずっと黙りながら1人静かに汗を滝のように流している。


それだけでも怪しさ満点だがなお怪しさに拍車をかけるのはその汗を全く吹いていないことだ。


(さ、沙也希ー!そして美神ー!汗ふけ!ふけよ!)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「えーーーーーーー!美神と輝ってごふ!・・・」


「お前!声!ボリューム下げろや!」


輝が要のみぞおちを思いっきり殴った。


要はそのため腹を抱え静かに座った。


(油断したらこれだから、怖いものだ)


輝はまた気を引き締める。


「でも中々大胆だね美神って」


「まぁ、色々とありましたので」


「へぇ・・・ナニがあったのかね?」


要のニヤついている顔が輝に刺さる。


遠回しに言えと言っているようなものだ。


(そんな顔で見るなよ!)


そう口出す前に浩史が先に声を出した。


「昨日ホラー映画見てたけどその影響のせいか?」


「え、そうなの!」


要の目が一気に輝き出した。


要の目は餌を目にしている肉食獣のようだ。


(てめぇー浩史ー!裏切りやがったなー!)


口約束も何もしていないが何故か裏切られた気持ちが溢れ出てきた。


「う、うぐっまぁ、間違えてないのだが」


結局認めてしまうのが輝の精神の弱さだと輝自身嫌という程実感した。


「いやぁまさかそれをダシに家に泊まるって、策士!策士すぎるよ!」


「いや俺最初は浩史と見てたのだが・・・」


「そっちの趣味も・・・!」


「そろそろ黙れやー!」


輝の激しめのみぞおちパンチが要に入った。


興奮の度に立ち上がっていた要の行動が仇となった行動だ。


要のせいで変な誤解を食堂にいる人に植え付けられるのは溜まったものでは無い。


「まぁ何はどうあれ俺と美神はそんな関係では無い・・・それでいいか?」


「うーんまぁヘタレの極めがそんな思いきった行動出来ないしね」


「喧嘩売ってるのか?」


「まぁ輝は多分3次元より2次元派だろ」


「やっぱり君も思う?」


「そうだよな」


何故か知らないが浩史と要が意気投合している。


2人の固い友情の握手が終わるとまた尋問タイムが始まった。


「いやでもすごいよな輝も、よく理性が持つもんだ」


「ほんとにね、ソーセージついてないんじゃない?」


「そろそろ口縫うぞ2人とも」


「「ひぇ」」


2人がすぐに意気投合してここまで仲良くなるのは別の意味で驚きだがこの状況でそのようなことを言っている暇は無い。


輝は常にため息をこぼしている。


「でもさ輝、ここまでしているけど美神のことが好きなのか?」


「「え?」」


突如口を開いたダークホース沙也希。


質問内容もダークホースにふさわしい内容だ。


トチ狂ったのではないのかと思ったが耐性が少しできたのか顔が元の色に戻っていた。


輝と美神は面白いくらいにその質問にキョドってしまい浩史と要の興味を余計引かせてしまった。


「い。いや俺はそんなつもりは、なぁそうだろ美神」


「え、えぇそうよどうして私がこんな駄目男を・・・」


「かなりな言われようだな輝、聞いたのは俺だが」


「まぁ慣れれば楽なものよ」


沙也希の慰めが少しこの状況下だと哀れみに聞こえて泣きそうになる。


別にそこまで悲しくは無いがとりあえず輝は空気を読んだ。


その間も浩史と要はずっと輝と美神を見つめている。


瞬きしていないぐらいじっと見つめてくるのがとても気持ち悪く感じる。


少しでも顔をニヤけるとそれは死を意味するこの状況下は過酷すぎるものだ。


こうやって永遠に感じるほど長い尋問はとても拷問だった。

ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)

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