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何も後悔することがなければ、人生はとても空虚なものになるだろう

フィンセント・ファン・ゴッホより

「話すよ、俺の本当の理由を・・・」


ついに輝の本当の理由が聞ける。


今までとは全く違う輝の顔に美神も緊張が走ってきた。


汗が出てきて止まらない。


「・・・俺は今まで美神との契約を盾にしてこんな無茶なことしていた・・・でも考えたんだ1回・・・俺の気持ちを・・・」


「・・・うん・・・」


どこか今日の輝の雰囲気はおかしい。


いつもみたいな適当さがなく、本気で悩み本気で生きようとする感じがひしひしと伝わってきている。


その感じが美神にも良い緊張感を与えてくれて話を聞くことに対してさらに意識が強まってきた。


「・・・俺が動けたのは・・・美神のことを契約同士の友達ではなく・・・本当の友達と思っている・・・だから体が動いた、口が動いたんだ」


「うん」


美神が望んでいた答えでは無い、しかしこうやって真正面から言われると恥ずかしさが生まれてきた。


輝の顔が真剣なのでより1層真剣さが入り恥ずかしい。


「俺はもしこの場で決断を誤れば、10年・・・いや20年・・・下手したら永遠に後悔する、その後悔の度に『高校生の時にああすればよかった』とか思う気がするんだ」


今まで見てきた中で一番真面目だ。


輝らしい考え方であるのが少し伝わるがそれでも感じる『いつもと違う』輝に目が離せない。


「俺は今後永遠に後悔するであろう出来事の『今』に立っているんだ、その『今』に立っていると分かるのなら後悔のない決断をして未来の後悔を消したい、俺には未来予知なんてものは無い、でも体が分かるんだ、後悔する出来事とそう出ない出来事をな、分かるなら話は早いだろ・・・変えるんだ、『今』を」


輝の覚悟をこの目で見た。


輝らしい考え方なのかそうと言えない考え方なのか言葉につまるがきっと輝の根本的な性格の具現化が今の言葉なのは美神にはわかった。


赤く染った夕日が輝の顔を染める、美神は太陽のせいなのかはたまた違う理由なのか、輝の顔が見えない。


「・・・そうなのね・・・ここまで言われたら私には何も言えないわ・・・完敗よ・・・」


美神の顔からも完敗なのが分かる。


完全にもう輝には勝てない。


そう体ではなく心が理解した。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「まぁこんなカッコつけてるけど本当は怖いよ」


突然輝は弱音を吐いた。


だがその弱音が少し美神の心を安堵させる材料となった。


「・・・それもそうよね・・・恐怖心のない人間なんていない、誰だって恐れるものはあるわ・・・死なんてその代表的例だし」


「・・・あぁ言ったけど本当は自分の未来を自分で壊している気がして怖いんだ・・・」


輝が見せた恐怖心はさっきまでのセリフとは真反対のセリフだ。


決断したことを後悔するという、決断しなくても後悔、決断しても後悔ということだ。


「じゃあ輝は後悔の少ない方を選んだってこと?」


「頭がいいな美神は・・・さすが学年一位だよ」


輝の皮肉なのかそれとも皮肉でないのか分からない返しに顔を歪めながら輝をじっと見つめた。


そんな顔をした美神に輝は「すまんすまん」といつもの代わり映えのないがどこか安心感のある笑顔で言った。


「・・・でもやっぱり重いものがかかると挑戦って怖くなる・・・今でも怖いよ・・・でも後悔する方がもっと怖いんだ・・・だから動けたのかもな」


輝の声が少し震えている、まだ恐怖心が完全に拭いきれていないのが誰でも直感でわかるくらい。


そんな輝を救えるのは今誰でもない、美神のみだ。


「人間誰しも後悔はするわ、後悔の無い人生なんてない、誰しも後悔しないためにとか口では言える・・・でも実際言葉にしても行動に移せないのが現実、その中でも行動に移した輝は男の中の男、いや人の中の人よ」


美神自身自分で何を言っているのか分からない。


美神も分からない、もしかすると輝の性格を受け継いだのかもしれない。


だが悪い気はしない、むしろ嬉しいことなのかもしれないと思った。


「たとえ世界が輝の敵になっても私は輝を否定しない、たとえその行動で世界が敵になっても私は肯定し続けるわ、行動を否定する人は自分で行動ができない鳥籠の中に囚われた人だから怖くなんてないわ、それは輝が教えてくれた・・・輝が私を檻の外から出してくれた、だから言える」


着実に今までの美神ではありえないセリフがポンポン出てきている。


美神自身もびっくりだ。


この数ヶ月でここまで人は変われるという事実に驚きを隠せない。


だがここまで変えてくれたのも輝という1人の光のような男であるということにまた驚きだ。


(高校始めたての私が今の私を見たらきっと驚くだろうなぁ)


そう思うと自分がどれだけ変わったかとても客観的に見れる気がして辞められない。


そして輝の姿が太陽の日差しと合わさり(ひかり)輝いている。


(そうか、私の中の光は・・・輝、あなたしかいなかったのね)

ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)

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