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エゴのあるべき教育

「ついに来たかこの日が・・・」


輝はあるカフェに来ている。


普段の輝なら絶対に行かなさそうな個室カフェだ。


だが今日は美神との約束のためとても大事な日であるため行かなくてはならない。


「・・・入るか」


ここまでとても長かった。


輝は美神に前回の話の後作戦の内容を全て話した。


そのうえで手伝って欲しいと言ったがもちろん美神は嫌がった。


だが輝の押しの強さと「安心してくれ、絶対美神と茜の不利のないようにする!」その力強い誓い、このことにより美神もこの作戦に加担してしまった。


作戦の内容も相変わらず輝らしくゴリ押しに近い。


美神の親からかかった電話に出てそこでコミュニケーションを取り直接会うアポを取る。


だがその無茶なやり方でも輝は成功した。


その時の美神は驚きもあるが裏があるのでは無いかと恐れすらある


話は戻り輝はカフェの中に入った。


カフェの中はお高級な雰囲気が漂いまくりこういう店に慣れていない輝にとっては中々慣れない。


「・・・ここか」


カフェのある一席に入った。


席に入ると中はとてもオシャレで店内の木の雰囲気がそのまま受け継がれているような感じだ。


その一席に・・・父らしき人が居た。


顔はテレビ等で見た事のある顔なので驚きはしないがそれでもやはり直談判なのでそれ相応の恐怖がある。


厳格な雰囲気がある中その中でも優しさなどがあり輝が見た感じあそこまで美神と茜が嫌がる理由が分からない。


「・・・あなたが橘輝様ですね?」


「は、はい」


やはり大手企業のボス、態度は満点だ。


「・・・私、美神と茜の父親をさせてもらってます、氷川一真(ひかわかずま)です」


「よろしくお願いします・・・」


一真は挨拶をすると丁寧に自身の名刺を渡した。


その対応はまるで大手企業同士の接待をしているような気分だ。


輝もその雰囲気に乗るような形で名刺を受け取った。


だがこのカフェの雰囲気、一真の雰囲気全てが苦手であるためまだ話の主題にすら入っていない状態で限界を迎えそうだ。


「・・・それでなぜ橘様は私に会いたかったのですか?」


「・・・美神と茜との件です」


ついに本筋に入れる。


輝が2人の名を口にすると一真の顔は険しくなってきた。


輝は地雷を踏んだかと少し焦ってきたが焦りを見せてしまえばこの戦いは負けになる。


「美神と茜、私は2人と接触しました、特に美神とはずっと接してきました・・・もしあなたが知っているのなら答えて欲しいのです、美神に何をしたのか?」


すこし輝は怒りのせいか声が荒げかけている。


隠すつもりだった怒りが隠せていない。


「・・・私が知らないところでいろいろとあったみたいだね・・・」


「・・・!?・・・何です・・・その他人事のような態度は・・・」


輝は一真が忙しいことをわかっている、わかっているがここまで堂々とそして悪気なく言うと思ってもいなかった。


一真の顔を見たが本当に他人事ですまそうとしている顔だ。


その顔がより輝の気持ちを逆撫でするには十二分に使えるものだった。


「・・・美神は!ずっと!ひとりで無理だとわかっていても親に褒められたい、その精神でやってきた!でもあなた達が褒めてくれたことは無いって言った!その時どれだけ可哀想だったか俺は・・・」


「橘様・・・あなたは甘すぎます」


「え?」


一真の真面目な様子でそう語った。


輝は何を言っているんだと聞きたくなる内容だ。


子供なら誰しも一度は褒められたいと思い四苦八苦し頑張る、だが一真はその理論を真っ向から否定してきた。


「世間一般の教育は甘すぎます・・・私が考えた教育プログラムに不備などはありません、むしろあなた達が変わる番です・・・厳しく育て利益のために他者の気持ちなどは考えない、そんなエゴイストのみがこの世界を統べれるものです」


「・・・そんなものが・・・本当に良いのか・・・」


一真の理論はもしかすれば正解かもしれない。


だが、他者の気持ちを考えれないものが上に行けるはずがない。


「・・・上に行くものは多少なりとも他者の心はわかる!それを否定してしまえば一生、一真さんが思う人間になれない!」


「・・・あなたは本当に甘い・・・甘すぎる・・・私は最初から彼女たちを・・・自分の子供として見ていない・・・それが私の教育プログラムのひとつでもある」


その時輝の中の何かが切れた。


しかしこの一真の理論により輝は言葉すら出ない状態だ。


だがそれでも一真はまだ続ける。


「私は彼女たちを一人間として見た、私にとって人間というものは全て教育対象だ・・・もちろんだがこの私の教育プログラムによるね」


「・・・わかったよ・・・なんで初めて出会った時美神はあんなに俺を警戒していたのか・・・茜もだ」


ついに輝の口から敬語が消えた。


予想以上を超える怒りのせいか?


もう分からない、ただそれでも分かることがある。


(俺は一真から2人を引き離さなくちゃいけない!2人を真人間にさせないと!)


「・・・どうしたのです?」


「あなたはなぜ・・・子供を作ったのです?」


ついに聞いてしまった。


少しだが台パンしてしまいそうになったが・・・


まだ輝はこの男に救いの余地を見つけ出すためにも聞いたのだ。


この質問でもし予想を裏切られれば一真と本気の戦いをする。


そんなことを考えていると一真は真剣な顔で輝を向き話し出した。


「跡継ぎのためです・・・最近は女でも大きな会社の営業ができるみたいのですし全然問題はなかったですが」


本当にこの氷川一真。


彼には人の心がないらしい。



ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)

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