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名前時々贈り物

「私は・・・北条マヤ・・・ではありません」


ついに茜は告白した。


自身のことを・・・


沙也希は驚きの様子を見せるがどれだけ経っても目は真剣なままだ。


「・・・本当に馬鹿だよね」


茜は自暴自棄な感じがする。


言動からも今までのようなオーラはなく今はただ投げやりな感じだ。


身振り手振りもどこかおかしな様子をしている。


「・・・わかった・・・茜・・・でもなんで名前を隠すんだ?」


この質問はきっと誰でも思う疑問だろう。


沙也希は茜を落ち着かすと同時に自分の心境整理のためにも質問をした。


「・・・私達の家は外国まで展開されている大企業、それも社長・・・もちろん有名人なの、だから私がどこかへ逃げたと知った時ネットを使われればバレる・・・だから変えたの」


「でも顔はバレるはずじゃ・・・」


茜は沙也希に話す間もなく話し続けた。


だがその目に少し不安というものが見えてくる。


「・・・それでも逃げたかった!あんな生活、あんな人達の元から・・・逃げれるのなら名前なんて・・・」


もう茜は涙が浮かんでいる。


いつこの小さな体にある目のダムが崩壊するか分からない。


しかし


「茜!」


沙也希は珍しく声を荒げた。


輝自身も声を荒らげて怒りを見せる沙也希を見た事ないので目が点になる。


もちろんだが美神も驚きが顔からわかる。


「たとえ親がどんな人でも・・・名前は・・・茜にとっての初めてのプレゼントなんだ、その時の愛が詰まったプレゼントが名前なんだ・・・」


「・・・最初から親は私達のことを自分たちの・・・」


次は沙也希が茜の言葉を抑えて話し出した。


立場が逆転している。


「・・・それなら!俺が君の名前を愛するよ・・・」


「・・・え?」


「え?」

「え?」


茜も、輝も美神も「え?」しか口出す事が出来なかった。


突然の告白?に驚き以外の感情がわかない。


しかし時間を置けば置くほど茜は顔を赤くし沙也希の視線から外れ、輝と美神はここにいて良いのかと存在が不安になってきた。


「・・・茜・・・これからも・・・茜が嫌になるまでは住んで欲しい」


輝は沙也希との付き合いが長いからわかる。


(沙也希、その言葉は世間一般では告白になるんだぞ)


沙也希は無意識のうちにこういうことを言う癖がある。


実際輝もその性格に救われた面もあるがその性格が実は悪い点でもある。


「だから茜・・・君を!」


「わ、わかったから!」


いたたまれなくなったのか茜が話し出した。


茜の顔はもう真っ赤っかで沙也希と視線を合わせるだけでも精一杯な様子だ。


逆によくここまで耐えたなと思いながら茜を見つめた。


「・・・私も・・・その・・・全然いいよ・・・」


「ありがとう・・・茜」


これらの一件を見ている輝と美神は


((気まずい))


2人とも気まずさで帰りたい欲求が増えてきた。


最初は美神から始めたのに今となれば始めた人そっちのけでイチャついている。


「・・・美神、これ俺らいる必要・・・」


「輝・・・ここに来た理由忘れたの?」


美神が言わなかったらここに来た理由を忘れていた。


その美神の一言で輝も思い出した。


「・・・そうだな・・・」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


どれだけ時間が経っただろう。


輝と美神はいたたまれなさでとてつもないほど長い時間をここで過ごした気分だ。


だが時計を見るとまだ来て10分も経ってない。


(時の流れって残酷だな)


時計を見た輝はそう思った。


「・・・茜・・・少しお話があるの」


輝がいたたまれなさで四苦八苦していると美神は覚悟を決めたのか茜に本題を聞いた。


「・・・わかっているよ・・・私を返すか、お姉ちゃんが行くかのやつでしょ?」


「えぇ」


茜の察しの良さたのかは知らない。


だが茜は知っているらしい。


「なぜ知ってるのかは聞かないでおくわ・・・それで茜・・・茜はどうしたい?」


「突然でごめん」を付け加えると茜はなにか考えついたのか顔を美神の方にあげた。


なにか覚悟を決めたのか、美神もその茜の覚悟を受け取った。


この部屋では少し緊張感がはしる。


緊張のせいか茜の小さな体がカタカタと震えている。


そしてついに口を・・・


「私の答えは・・・」

ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)

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