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過去を超えて

初めから輝は何も変わってない。


怖がりになって失敗を恐れるようになったのは遡るほど中学に至る。


中学時代、輝の性格は困った人を見過ごせない言わば正義感の強い性格だった。


そのため色々な苦難はあったがこの性格をずっと貫いてきた。


そのことは幼なじみである要もよく知っている。


しかしこのような性格を変えるような出来事が起きてしまった。















人が居なくなり輝は先生の手伝いなどをしておりそのため帰るのが遅くなっていた。


もう日も傾き夜に向かいつつある。


(早く帰らないと暗くなるなぁ)


そんな野暮なことを考えている時に事件は起きた。


この事件が後に輝を苦しめる事件となるのはまだこの時は分かるはずもない。


「好きです!付き合ってください!」


「……なら……よろしくお願いします」


「やったー!」


輝の耳にはこの告白が聞こえた。


告白をしたのは輝のクラスの人である。


告白を受けていた人は学年で随一の美女の人。


今まで誰かになびくとは思わなかったがついになびいたのかとほとんど興味のない話題だったのであまり気にせず帰る用意をしていたがしかしこの時に事件が起きた。


「おい!なんで、なんでこんな地味男のどこが!」


「ちょっと、ちょっとボス!」


「うるさい!」


声的にも輝はわかった。


学年の問題児である人だ。


先生の前では優等生だが生徒間での対応が最悪すぎてみんなが毛嫌いしている人だ。


声や物音が激しいためこのまま放ったらかしにしていると大問題になりそうなので輝は自分の席に鞄を置き告白の行われていた廊下に向かい走った。


「やめろー!」


輝がそう叫び不良男の体を拘束させた。


だが拘束を素早く不良男は解除してしまった。


まさか輝も喧嘩慣れしてるとは思いもしていなかったので意外だとしか言えない。


すぐに背負い投げで投げ飛ばされると不良男はターゲットを完全に輝にしてしまった。


「お前、喧嘩売ってるのか?」


「さ、さぁな、でも喧嘩はするつもりは無い」


「ははは!こいつはすげぇ面白い、俺のサンドバッグにしてやるよ!」


そう言うと輝の頬に不良男の激しいパンチが飛んだ。


不良男のパンチはとても攻撃力が高く当たるとすぐにふらついてしまった。


だがふらついても不良男の手が止まることは無い。


「がふ!ごはっ!」


「俺に喧嘩を売った割には弱いなぁ!オラァ!」


「がはっ!」


「橘君!」


「逃げろ!」


告白をした男がそう言ったが輝は2人を巻き込ませたくないためそう叫んだ。


不良男の顔を見ると少し不機嫌そうな顔だ。


時間的には短ったが輝からしたらとても長い時間に感じてしまった。


気が済んだのか攻撃を辞めると不良男は輝の髪をつかみ


「明日から俺のサンドバッグだ、はいと答えろ!」


「嫌だね!」


「……なら嫌でもはいと言わせてやるさ」


そう言い残すと不良男はひとりで去っていった。


去り際の姿が輝にはとても悔しく感じたがここで深追いするのは禁物だと思いこの結果を輝はただただ甘んじて受け入れるしかできなかった。


周りを見るともう誰もいない。


静寂が学校内を包む。


若干出てしまった血を制服の袖で拭き教室へ足を運んだ。


しかし輝にとっての地獄はここから始まってしまった。


親が殺された時と同じくらい打ちのめされてしまうあの悪夢の日々が。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


朝来ると席がなかった。


輝のだけがなかったのだ。


そのため一発でわかった。


「あ、いつものか」


輝がそうつぶやくと隣でいつも毎日一緒に登校している要が振り向き


「しょうがないなぁ、手伝ってあげる」


「いつもごめんな要」


「良いってことよ」


「じゃあジュース1本……」


「チッチッチッ、お代は、結構よ」


そう要はドヤ顔で言うと輝の座席探しに手伝ってくれた。


しかし要のそばにある男が近づいてきた。


その男の顔に輝は見覚えがある。


「・・・昨日の」


「え、ふたり知り合い?」


「あぁ、昨日話したから知ってるんだよ」


話し方は交友を持とうとしている声だが顔を見ると明らかに嫌ってる顔だ。


「馴染さんは座ってていいよ、俺が手伝うから」


「いや輝のを手伝うよ、私なんやかんやずっと探し続けてきた、言わば席探しのプロだよ、君より詳しい自信が・・・」


「大丈夫だよ、とりあえず、一緒に探そう、輝君」


「あ、あぁ」


そう言うと不良男は有無を言わさず輝を教室の外へ連れていった。


教室を出て人通りが少ないところに行くとやはりと言ってたらやはりとなる。


「お前、これだけで終わると思うなよ」


「…やっぱり犯人は」


「そうさ、俺だ、でも言っても無駄だ、先生は俺を信じてる、お前の言うことなんぞただの戯言として処理されるだろう」


「分かってはいたがお前やっぱ腐ってるな」


改めて輝はこの男の性格に別の意味で尊敬の意をはらいそうになった。


しかし不良男は何も気にしていない様子だ。


この時輝はわかった。


(こいつに何言っても無駄だ、悔しいが耐えるのが良いか)


きっとこの男は変わらない。


変わるわけが無い。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


この日から不良男の執拗な嫌がらせが続いた。


言葉、陰湿な物隠しなどなど色々な手段で輝の心をどんどん追い詰めていく。


その都度その都度で輝は対応をしたがやはり不良男の頭の良さやズルがしこさで証拠が全く掴めない。


何度も先生に問いかけたが一向に治る気配が無い。


半分諦めの感情が強まるがそれでも嫌がらせは止まらない。


「輝・・・顔だいぶしんどそうだね」


「要か・・・まぁ、うん」


輝は答えらなかった。


要をこのいじめに巻き込ませたくないためだ。


しかし要は輝の席の前に座り話しかけた。


「私たちは幼なじみでしょ、こういう時は何でもうちあけて、私は輝を信じてる」


「・・・答えはしない・・・」


「そう・・・でも輝は顔でなんでもわかるから正直なにで悩んでるかもお見通し状態」


「さすがに何年も過ごしてたらバレるかぁ」


「ふっふーん、何年輝の友達やってるのだか」


要の嬉しそうなドヤ顔が今の輝にはとても心に染みる。


だが実際要は何一つも嘘は言ってない。


輝のことを信用していて何年も付き合いがあるので輝の性格や癖はお見通し状態なのだ。


そのため輝の異変にいち早く気がついたのは紛れることもない、要なのだ。


「・・・ありがとうな。俺お前が友達でほんと良かったと思ってる」


「ふふーんすぐ頼っても良きなのだぞ〜」


「さすがにすぐ頼むことはしないから安心しろ」


「えぇ、なんか酷い〜」


今はこうやって要と冗談が言い合えるのが1番心が落ち着く。


輝にとっては1番の親友である要は唯一心の内を話せる唯一の仲間なのだからだ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


しかしこの幸福も長くは続かなかった。


「橘、至急職員室まで」


ある時先生に呼び止められた。


輝は何をしたのかと考えているが何もしていないのでもちろん出てくるわけが無い。


しかし呼ばれてしまった以上行かなくてはならないので輝は言われるがまま行ってしまった。


職員室に着くと学年指導の先生が輝に


「大事な話だ、校長室まで」


そう言われた時何かやらかしたのかとパニックになったがどれだけ考えても輝は何もしていないため分からない。


店番で忙しいから最近遊びに行くことすらできていない輝なので問題行動はしていない。


そう心に言い聞かせ校長室に入った。


初めて入ったのでその圧倒的な雰囲気に緊張が高まる。


豪華な装飾。


校長室と言えばをすべて体現させたような見た目だ。


「橘、お前がここに呼ばれた理由分かってるか?」


「いや、本当に分かりません」


「本当にか!」


「はい、本当にです」


「っち、ならしょうがないこの写真を見ても言えるか!」


そう言い学年指導の先生は1枚の写真を机に置いた。


その写真は輝が万引きをしているような写真だ。


写真を見たが輝には納得ができるわけもない写真だ。


「先生!俺この店行ったことないですし俺この時店番してました!」


「まだそんな言い訳を言うのか、こっちは第三者からも報告は受けている」


「待ってください!俺の、俺の、俺の言い分は!」


悲痛に叫ぶが先生は輝の静止を聞くこともなく話し続けた。


「もうお前の処分は決定している、出席停止だ」


「え」


この時目の前が一気に真っ暗になった気分が味わった。


そしてこの時仕組んだわなというのにも気づいた。


だがそれを言う力や気力が今の輝には全くない。


結局輝はこの理不尽な宣言に泣き寝入りするしかできなかったのだ。


どれだけ言っても信じて貰えない。


このまま自分の意思を貫いても大事になって余計にみんなに迷惑をかけてしまう。



これが彼の人生の大きな変化だ。

ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)

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