教室時々食堂
時間軸は1話の時に戻る。
1から4限の授業が終わり食堂へ行ける時間だ。
輝は何とかの思いで昼休みまで耐えることが出来た。
めっちゃ寝てはいたものの。
昼休みいつものメンバーでご飯を食堂で食べに行くことを決めていたので食堂へ行った。
食堂は大きくそして綺麗なため人が沢山いる。
割と綺麗さはショッピングモールのフードコートくらいある。
食堂内をブラブラしているといつものメンバーを見かけたので座った。
もう既に食べ始めてるあたり同じ者同士感がある。
ラーメンを食べている者が
沢村沙也希
輝と同じ中学校から来たし中学時代からの友達なので自然と喋る。
そして運良く同じクラスだ。
周りからはイケメンと散々もてはやされている。
もう1人のハンバーグを食べている人が
竹岡浩史
坊主で明るく元気。
オリエンテーション後に仲良くなり今に至る。
彼女募集中の事だが誰1人募集に来ないので泣いているのは知ってる。
3人には共通してある趣味を持っている。
それはオタクだ。
輝はこう見えても特撮に手を染めかけているまだ発展途上な状態だ。
そのため会話もオタク特有の趣味の会話になる。
「あぁ、もう頼んでるのかよ!」
「お前が遅いからだ・・・なぁ沙也希、ラーメンうまいか?」
ハンバーグを食べながら浩史は沙也希に問う。
「美味い、美味すぎる」
「そうか、チャーシューだけ貰うぞ」
そう言うと浩史は体を前のめりにさせ箸を沙也希のチャーシューに向かい伸ばした。
それに気づいたのか沙也希は明らかに浩史が届かないくらい遠くのところにラーメンを置く。
「ダメだ!ラーメンでチャーシュー貰うとかどんなやつだ」
「ちぇー」
そんな会話を横目でメニュー表を見ている輝。
結局いつものように生姜焼き定食になりそうだ。
「じゃあ行ってくるわ、スマホ見るなよ」
「それは振りだろ、沙也希、一緒に鑑賞会でもするか」
浩史はこういうものを言われると気になって仕方ないというのは初めて会った時から何となく察しはついていた。
ハンバーグを食べていた箸を止めてニヤニヤした顔でじっと見つめている。
「まぁ俺は良いけどモラルどこに置いてきたんだ?」
沙也希にはこうは言うものの顔は少し探究心で満ち溢れている顔だ。
わざわざラーメンを食べる手を止めてまで話しかけるということはそれなりに気になるのだろう。
「お前にだけは言われたくないわ!」
輝は結局スマホを席に置いて注文しに行った。
食券を買っている最中にある人が現れた。
「初めて来たけど以外にでかいのね、輝?」
美神が初めて遊園地に来た子供のようにキョロキョロしている。
「お前来たのか?」
正直いつもなら教室でご飯を食べているのでここに来るとは全く考えていなかった。
美神が初めて食堂に来た。
よく見ると食堂の入口にはたくさんの人が見ている。
少し居心地悪いのでできるだけ早く食券を買い注文しに行こうとしたが袖を後ろからキュッと軽く持たれた感じがある。
100%間違いなく美神だ。
「あの・・・注文しに行きたいのだが」
「すみません、教えてくれると嬉しいのですが」
美神の顔を見ると疑問と不安の顔なので輝も男を捨ててはいないので無視はできない。
しゃあなしの気分で美神に教えることにした。
「食券初めてか?」
図星だったようだ軽く恥ずかしがりながら頷いた。
「まずな食べたいものを決めて金を入れてその食べ物が書いてあるボタンを押すと食券が出てくるからその食券をあそこに持っていくだけでOKだ」
少し駆け足になったが軽い説明を行いできる限り早く注文に言いに行きたい。
しかし美神のモタモタ具合に何故か無視できないので最後まで結局付き合うことになった。
「はぁはぁ、まぁ次からは一人で行ける程度になったか・・・じゃあ俺席に戻るわ、あいつらマジで見てないこと祈る!」
急いで席に戻ると図星と言えば図星だった。
「うそ!輝中々だな見ているの・・・ニコニコは・・・うおー!」
「おいー!何勝手に見てるんだよ!」
輝は浩史か持っているスマホを勢いよく取り上げポケットに入れた。
その反応に浩史はバツの悪そうな顔でじっと見つめている。
「ちぇー今良い所なんだが」
「まぁ浩史いつか見せてもらおうか」
「そうだな!」
何も反省していない2人の反応に軽いため息をして自分の生姜焼き定食を置きため息をひとつこぼした。
「はぁ、次からは持っていくよ」
「まぁ中々良いもの見せてもらったよ、なぁ沙也希」
その目は少しニヤニヤしている。
もしかするとと思いスマホを開けGoogleを見ると異変がある。
検索履歴に異変がある。
上から文になっている。
輝よ
全部
見たからな
お宝だらけだったなw
ドラえもん作り方
輝は2人をじっと見つめ尋問タイムに入った。
「どこまで見た特に浩史お前だ!?」
「いや知らん・・・なぁ」
「あ、あぁ・・・そんな知らないよ」
ずっと終始ニヤニヤしている浩史も浩史で怪しいのだが1つ確信的な証拠がある。
少しタジタジしい喋り方の沙也希を見て疑念が確信に変わった。
足も手も震えている。
昔から沙也希の嘘が苦手なのは中学時代からの友なのでもちろん知っている。
確信に変わったことにより1から100まで見られた絶望感。
「まぁそんな可哀想な輝に最後の希望を言うよ」
「もう何言われても傷つかないから言っていいよ沙也希」
「シークレットモード使えば?」
「余計なお世話だな・・・」
多分言い逃れ不可能なので諦めて生姜焼きを頬張り食べた。
美味しいのだがさっきの件が頭に残り思うように箸が進まない。
2人はその様子に諦めたと自動的に判断したようだ。
「まぁお前がそういうのを見るのは至って普通だと俺は思うぞ」
「それ慰めてるのか?喧嘩売ってるのか?」
「前者だ」
沙也希は多分優しいので本当に前者だと思うというか思いたい。
「あの?良ければ一緒に食べていただくことはできませんのでしょうか?」
目の前にプレートを持っている美神が立って応答を待っていた。
「うん?あぁお前か、まぁ俺は良きだけど浩史とか沙也希は?」
輝はあんまりそういうことを気にしない人間なので二つ返事でOKだ。
「あ、俺やること思い出したわ、すまん輝また今度」
「あ、了解」
良く考えると沙也希は中学時代女性関係トラブルで女性に大きなトラウマがあるのであまり接したくないようだ。
それを忘れていた自分に激しく後悔している。
浩史は一緒に居る。
だが凄く居心地悪そうにしている。
無理は無い学一の美女が近くにいるためだ。
「何頼んだんだ、ホットケーキか、可愛いな」
「喧嘩売ってるのですか?」
怒りの混じったジト目が輝を見つめる。
その様子に全く気づかずずっと生姜焼き定食に箸を進めているが浩史はその様子に軽く尊敬を覚えた。
「いやそんなことは無い・・・なぁ浩史」
「あ、あぁ美味そうだなそのラーメン」
あまりの緊張具合か遂にホットケーキをラーメンと言い出した。
一瞬目が無いのかと思ったが浩史はいかにも非モテ街道を進んできた感じがあるのでしょうがない。
彼女募集中と言っているが女子と喋ることなんてほとんど無いし喋ってもキョドり失敗までが今までのオチだ。
浩史の顔がみるみる青ざめてくるのは少しジワるものがある。
ハンバーグを食べていた手が震えてる。
美神はその様子に見向きもせずナイフとフォークを器用に使いホットケーキを食べている。
その姿に周りの生徒は見とれまくっている。
その視線の中には明らか浩史と輝を殺す目もある。
「な、なぁ輝」
「どうした、やっと謝るのか」
「違うわ!周りの視線、殺しに来てねぇか」
輝は普通に浩史が謝るのかと思ったが浩史はこれっぽちもそんなことは考えていないようだ。
「ごめんわからん」
「この二ブ男!」
美神に聞こえないくらいの叫び声をあげ再度ハンバーグに戻ろうとしたが美神がじっと見つめている。
「何かあったのですか?」
小声で喋ってるのが気になったのかフォークとナイフを止め美神が話しかけにきた。
浩史は話を誤魔化そうと奮起するが
「あ、いや、この冷麺美味いなぁって」
「あの目付いてますか?」
「あ!」
タジタジしい態度で誤魔化そうとしたが余計顔に疑問符がうかんでいる。
もうハンバーグを冷麺と言うくらい緊張は迎えている。
「すまん美神、浩史連れて行くわちょっとまってて」
そう言うと輝は浩史を食堂から1回外に出し冷静にさせた。
「大丈夫か?ほら袋、吐くなら吐いた方がマシだろ」
「ありがとうな、オロオロオロオロオロオロオロオロオロオロオロオロ」
見事に吐いた。
「すまない、感謝してる、とりあえず袋持って・・・帰るよ・・・オロオロオロオロ」
袋を持ちながらヨボヨボしく帰る姿は少しシュールさがあり面白いものだ。
少しげっそりした顔で輝は食堂に戻ることになった。
もう戻ってきた頃には美神は食べ終わり口をハンカチで拭いていた。
一つ一つの動作に高貴なオーラがにじみでてきている。
薄紫色の髪がとても透き通るように美しく食堂の人の視線を釘付けにしている。
輝は静かに席に座り食べ残っていた生姜焼き定食を容易く平らげ帰ろうとしていた。
何故か知らないが美神も一緒に帰ることになった。
その時の視線は不快そのもの。
しかしこれらの行動を続けてきたのでさすがのニブ男でもわかってしまう。
(美神って俺のこと好きなのかな?)
しかしそんなことを仮に漏らすと何が返ってくるのかが全く分からない。
(へぇ、中々お花畑を加速させているみたいだね、お可愛いこと)
少し漫画の補正も入り余計頭を抱えてしまった。
そのようなことを考えた罪悪感で死にそうだ。
「急に頭抱えてどうしたのですか?寝すぎで頭でも痛いので?」
「違う、少なくともお前には関係ない」
「・・・悩むことあるんだ・・・意外」
「俺そんな人間だと思われてたのかよ」
でも不思議と嫌な気分がしない。
なんやかんや慣れなのか。
それは分からない。
「でもいいよね友達とご飯なんて」
美神が小さくその言葉をこぼした。
その目は若干儚さを含んでいる。
「お前友達居そうな気はするが」
「そりゃあたくさん話しかけてくれるよ……でも友達になりたいと思える人が居ないだけ」
少し顔を俯かせて美神はそっと呟いた。
それらのセリフから美神はこういう行為がやりたかったようだ。
「なんかすまんな」
輝は申し訳なさそうに答える、顔も下げ真剣そうな感じでだ。
その様子に美神はあまり気にすることなくあることを聞いた。
「輝って友達とご飯を食べるの?」
「急にバカになったのか?」
実際そう思った。
本当に美神はこの瞬間だけはただのバカだと思えた。
しかし美神はそっぽを向きあることを呟く。
「なら私も輝と友達・・・っていうことなのよね」
「・・・!?」
輝は月まで飛ぶ衝撃をこの時初めて理解できたのかもしれない。
彼女は聞こえてないと思っているらしいが実際は結構普通に聞こえてる。
だがそこ事実を伝えると何が起きるか分からないためこの件は秘密にしておくことにした。
(やっぱホントのバカなんだな)
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ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)