寝坊確実遅刻
「まさかなあの一匹女王様があいつと結婚するなんてな」
場面は結婚式。
近くには森林がありその近くには海もある。
みんなの憧れる結婚式会場の手本みたいな会場だ。
キレイな白いドレスを身にまとい花道を歩いている。
隣の新郎はタキシードだ。
「まさかな、あの駄目男と結婚するなんてな・・・よくやった輝!」
「おいおい興奮しすぎだ・・・まだ新郎新婦入場だろ」
1人の坊主の男友達は興奮ゆえに立ち上がり喜んでいる。
もう1人はそれを止めている。
新郎新婦は仲睦まじく歩いている。
「最初私あんたのことを気持ち悪いやつだと思っていたのよ」
「ひでぇ!言われようだな昔の俺・・・」
「でもやっぱり一緒に過ごすとあなた以外ないわね・・・あの時の私の心を救ってくれた王子様」
新婦の目にハートがあるように見えるくらいデレデレだ。
新郎は恥ずかしそうな顔をしながら
「王子様呼びは恥ずかしいわ・・・照れるじゃねぇか」
「別にデレデレに照れてもいいのよ、私はどんなあなたも愛せるし」
「本当に軽く言えるよな・・・そういうこと・・・本当見習いたいわ」
新郎は永遠に顔を赤くして歩いている。
そんな新郎の顔を見ながら満足そうな顔で見つめている新婦は見事に対比している。
みんなからの温かい目、温かい声援が聞こえる。
2人の会話や雰囲気は熟年夫婦感があるのでみんな微笑ましく見れている。
「なぁ?」
「何?あなた・・・」
デレデレに甘えている声だ。
「俺お前と会えて本当に良かったよ・・・大好きさ」
「・・・そういうところ・・・本当に・・・バカ」
顔を茹でダコのように赤くしながら歩いている。
顔を隠そうとするが片方の手は新郎に持たれているため使えない。
だがもう片方の手も使い顔を隠そうとしたがさすがに失礼なのでありのままを見せながら歩いた。
「うぅ、恥ずかしい」
「自分が俺をその気にさせちゃったからだ・・・呪うなら過去の自分を呪いな」
「本当に・・・バカ!」
「口癖は昔っからというか出会ってずっと治らないな・・・まぁそういうところも可愛さのひとつなんだがね」
「っーーー!」
新婦は声にならない声を出し俯いてしまった。
そのような様子の新婦を前に見せるため新郎が新婦の顎をきゅっと引き頬に口付けをしてみる。
するとみるみる顔が再度赤くなる。
「本当にバカバカバカ!」
新婦のポコポコと音がなりそうなパンチを新郎は笑いながら耐えていた。
でも結局2人は仲睦まじく寄り添いながら歩いている。
周りの人も安心して見れている。
2人は仲良く笑い合いながら席へと向かった。
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この物語は少しおかしなラブコメ青春だ。
ツン9割デレ1割の人と乙女心を全く分からない駄目男の青春ストーリーだ。
O府S市S町
鳥のさえずりが聞こえ軽くだが意識が覚醒してきている。
少し汚くなっている部屋のベッドから聞こえるさえずりで高貴な目覚めをしている自分でも嬉しくなった。
この汚部屋の持ち主とは思わないくらい高貴な起床だ。
眠たい目を擦り窓を開けた、寝起きの目には少し苦しい日差しが眩しい。
久しぶりに気持ちの良い起床をしたものだ。
そう体を伸ばし思い時計を見る。
いつもなら遅刻の時間だ。
一瞬まだ夢の中かなと自分を疑ったい頬を叩く。
頬から鈍い痛みが来る。
時計は間違えていないようだ。
もしこれが現実なら早く死にたいものだ。
遅刻ものの大寝坊だ。
何度も見たが時計の短い針は8時を刺しており長い針は10分を刺してある。
30分からホームルームが始まる。
この家から学校まで40分くらい掛かるのは知っている。
「ぎゃあああ!俺ちゃんと目覚まししたんだけど」
そう思いスマホを開くとアラームはとっくに鳴っており知らず知らずのうちに消していることがわかった。
輝は頭を後悔の念をぶつけるために掻き毟るが時間は刻々と進んでいる。
「おにい!うるさい!後学校!」
「わかってる!だから焦ってるんだよ!」
2人は叫びながら会話をしている。
彼女は彼の妹だ。
名は橘渚
少し起こしてくれても良かっただろうと思ったがそんなことを言えばクズに成り下がるのでさすがに黙った。
急いでスマホを持ち自分の部屋から出た。
朝は最高の目覚めだと思ったが実際は大遅刻のため普通に最悪な目覚めとなってしまったのが辛い。
急いで階段を降りたのが運の尽きだったようだ。
「あ!」
その時階段から足を滑らした。
その時死を目の前で実感する。
最悪の気分だ。
「おにい!焦って降りるからだよ」
「くっそー!今日こそ最高な目覚めだと思ったのにー!」
「口動かす前に足動かせ!」
妹は今でも隣の部屋から叫んでくる。
体を立ち上がらそうとしたがとても痛い。
「痛いのだが」
「知らん、おにい無駄に運動神経あるんだし早く動けば」
階段から足を滑らし思いっきり床に口付けしてしまった挙句変な落ち方なので体が痛い。
妹はリビングから野次を飛ばしてくるしなんか冷たい。
こうして踏んだり蹴ったりの一日が始まった。
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橘輝
三度の飯よりアニメ、ゲーム、ラノベ、寝る
立派なオタクだ。
どれだけ寝ても寝足りないのが彼の口癖だ。
まぁ言い訳が口癖になると言ったところ。
彼はI西高等学校の在校生。
偏差値はまぁまぁといった所。
特別なにかに強いと言うものは無いが普通に暮らせる分には問題は無い高校だ。
頭脳面等は問題は無い。
そして輝には謎の運動神経の良さがある。
しかしその効果を上回る運動センスの無さがある。
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「はぁはぁはぁ、地獄だ!」
この高校に行くのに電車を使っているが問題は駅からまぁまぁ歩くことが一番の問題だ。
今は夏、日差しはとてもありそして熱い。
そして遅刻気味なので呑気に歩いている場合なんてものは無い。
しかし走ると熱すぎて溶けそうなのが問題だ。
何とか学校にギリギリ入ることは出来たが問題はまだまだある。
1年生は棟が校門から遠くそして階段も使わないといけない。
「後、2分!?やるしかねぇ」
教科書を爆速で鞄に入れ急いで走った。
気分はファイズアクセルモードだ。
だが学校までも走ってきたので体力は底尽きているを通り越し限界突破までしているくらいだ。
「か、階段かよー」
情けない声を上げ見つめたのは永遠に続くと言ってもいいくらい長く感じる階段だ。
だが遅刻はしたくないので足が潰れても良いと思うくらい走った。
多分次の日は筋肉痛になるくらい走った。
2弾飛ばしをしたりとにかく最速を極めるために色々なテクニックをつかい何とか1年の居る階へと着く。
もう歩けない、しかしここまで来たので何とかの思いで歩くがチャイムが鳴り始めた。
「うわ!もう間に合わねぇ!」
足が取れても良いそう思いながら走ると人間限界は超えれるものだ
「着いたぞー!」
チャイムの鳴り終わる時に教室へ滑り込みで間に合わせた。
「ま、間に合った」
「間に合ってない、遅刻だ」
先生は自身の腕時計を輝に見せつけてきた。
輝は少し距離をあけるがそれでも先生はどんどん距離を詰めてくる。
「わ、わわわ、すみません」
「早く座りな、早く座れば遅刻無しにしてやるから」
先生が半分呆れ顔で言ってくれた。
先生の優しさが滲み出ている。
「先生!大好きー!」
「口動かす前に足動かせ!」
先生のいつものように面白いツッコミが終わり輝は席に向かう。
地味に今日妹に言われたことまんま返された時は少しびっくりだった。
席に行く時みんなから
「寝すぎだぞコアラか!」
「今日も寝るに俺の昼飯をかけるよ」
散々な言われようが地味にギャグ線高いのがたまぁに聞こえてくるので少し笑ってしまった。
しかしそれがバレると本当に遅刻判定付けられてしまうので堪えながら席へ座る。
席に座るとさっきまでの疲れが一気に取れたのか体の力が抜ける感覚がある。
座ると隣の席の天使、女神と慕われている人から話された。
少し期待の顔で見られているが疲れているので気にする間もなく話すことしか出来ない。
「毎日毎日遅刻気味って中々だね」
隣でニヤついた顔を見せつけてきた人がいる。
「うっせ、今日こそは最高の目覚めだったのに」
「ならその遅刻はなんでなの!?」
隣の人は顔に疑問符を乗せたような表情で聞いてきた。
その様子で真面目に答えるしかできないので嫌々だが輝は真実を吐露する。
「・・・起きた時8時10分だったから」
その時一気に呆れの顔へと変貌した。
こんなに一気に顔を変えれるのはもはや尊敬までできる。
そうして授業が始まったがあることが同時に起きてしまった。
授業が始まった瞬間輝の意識は消えた。
知らない間に意識が消えていたんだ、本当に知らない間に
目を覚ますと休み時間だった。
きっとチャイムで目覚めたのだろう。
結局寝てしまっていたことに多少悔しさがある。
目を覚まし落ち着いてまずスマホを開けた。
「ふぁぁぁあ、よし、見るか」
ひと仕事する気分でスマホを取り出し開ける。
しかし後ろから明らかに殺気を纏っているオーラがする。
これは輝が今まで生きてきた勘がそう言っているので間違えではない。
恐る恐る後ろを振り向くと腕を組んで輝の後ろに居た。
「授業中は寝て休み時間は起きるとは中々なご身分ですね」
「そ、その、許してくれないか・・・すみませんでした」
そう輝の隣の席の人だ。
周りからは女神、天使と崇められているほどの美貌を持ち透き通るような薄紫色の髪、華奢な体に凹凸のある胸、外国人とのハーフかと何度も疑われているが実際は日本人家系。
そしてあだ名を裏付けるぐらい基本何でも出来る。
その適応能力の高さはどこに置いても必ず成果を残して帰ってくるぐらい強い。
そしてそれだけでも強いが親が世界的大企業
「hikawacompany」
という超大手の企業の先代社長の娘という肩書き付き。
だがしかしそんな彼女にも欠点という欠点がある。
それは超絶冷たい事だ。
一人でいる時は誰もが見惚れるくらいの笑顔で歩いているが下心ありで話しかけるとゴミを見るような目で追い返されるという。
女人とは普通に話しているが男子と話したことは無い、この橘輝を除いては。
あと怖い。
多分怖いという感情を持つのは輝だけだが。
告白をする者は数しれずしかし全てが撃沈。
学校一のイケメンが告白して振られた時は学校中大騒ぎだったぐらいだ。
本名は
氷川美神
美神はずっと一匹女王様としていたが高校に入ると少し変わっていったことだ。
高校生活が始まり1週間ぐらい経つと本作の主人公輝と話すようになった。
理由はまた今度。
ちなみにこの話は全て元中の人の話だ。
「何を見てるの?」
美神が腕を組み後ろから睨みつけるようにじっと見つめている。
目がキレている時の目だ。
しかしその中に若干興味があるような目をしているようにも見え無くはない。
「小説だ・・・悪いか?」
「以外に真面目なのね、ちなみに何を読んでいるの?」
顔がぽかんとした様子に変わった。
美神にとっては意外だったのだろう。
その様子に若干輝にも余裕を持てたのか口を開けれた。
「突然ですが自分を殺しに・・・」
「ラノベじゃない・・・まぁ良いけど」
呆れの目だ。
2人が仲睦まじく話している様子に周りの男子は妬みの目で輝を見ている。
輝は不器用というか鈍いので全く気づいていない。
ずっと明るい雰囲気を出しながら孤高の女王と話している。
美神は輝を妬む視線を汲み取ったのか美神がお得意の威嚇で周りの視線を消した。
輝は弾圧のことを全く知らないような様子だ。
「何かあったのか?」
「何も無いよ・・・それより次こそ起きなさいよね」
いつもの無愛想な顔で美神は答えた。
輝も慣れっこなのであまり深追いすることもせずそのまま体を伏せる。
「あいよ、じゃあちょっと仮眠するわ・・・ガァー!」
寝るためにさっき顔を伏せたのだ。
次の授業のためにもさすがに寝ないようにするための保険だ。
「はぁよく寝るわねそんなに、私もそれくらい寝たいよ」
美神は頭を抱えため息を出していた。
美神は若干トラウマがありあまり寝れないのだ。
誰にも言わないし言うつもりもないことだが。
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授業が始まり20分、輝は起きる様子を全くと言っていいほど見せない。
こう見えてずっと輝が起きるのを待っていた美神は痺れを切らして「ある事」を実行することにした。
まずボールペンを分解。
優等生として周りから見られているので隠れてコソッとやる感じにした。
分解した後パーツを少し入れる順番を変え直していく。
最後に芯を置けば完成。
ボールペン銃だ。
狙いを良い感じに定め絶対怪我はしないが起きれるように痛いところを狙う。
狙いは肋骨だ。
外さない気持ちを込め隣の輝に放った。
見事に狙いの場へ的中し内心嬉しい気持ちでいっぱいなのは言うまでもない。
輝は撃たれた衝撃で目を覚まし寝ピクレベルMAXみたいな反応で起きた。
「ぬわぁ!は!す、すみません」
「じゃあ輝寝てたんだ、これ読みな」
先生が教科書を片手でかっこよく持ちながら輝を指さした。
「えっと、すまん美神見させてくれ」
そう言うと指定ページでは無いところか違う教科の一文を指さした。
「えっとメロスは激怒した・・・」
「違うぞー!誰がメロス走らせてるんだーそして今は数学だ」
数学の先生は半分怒り、半分からかいの声で叫んだ。
その後振り返りまたホワイトボードに板書を書き始めた。
「うぇ!え!」
その時クラス中に爆笑のうずが出来た。
輝は周りを見回して頭を抱え「ははは」と笑い席へ座った。
隣を見るとイタズラが成功した時のような顔をしてこちらをずっと見ている美神が居る。
「てめぇだな」
「寝てる方が悪いじゃない」
冷たい顔でつき放たれた。
実際何一つ間違えを言っていない。
「・・・グーの音も出ないわ」
正論故何も言い返せないし言い返せるほど強くない。
「ふふふ、面白い人」
美神は聞こえてないと思うが実際は聞こえている。
しかしその事を言うと美神が怒るのは目に見えているのでさすがに黙った。
しかし輝の表情はとても素直だったらしくとてもニヤついていたみたいだ。
「何笑ってるのよ!」
「お前そんな顔するんだな、いつも人形のように顔を変えないからさ嬉しいわ」
その時美神は顔を急速に赤くした。
沸騰したやかんの音がする、幻聴だが。
「バカー!」
「おーどうした急に氷川暴言って、先生泣いちゃうぞ」
「す、すみません」
その時輝はカウンター成功と言わんばかりの顔で見つめている。
敗北感がありかなり悔しい。
この物語は彼女が完璧以外の面を見てくれる彼を知るための物語だ。
ツン9割デレ1割
ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)