「蝉」
鳴け 鳴け
命を燃やせ
その短い命
精一杯生きろ
相手を探して
今日も鳴く 鳴く
相手を見つけて
命を次へと残し バトンする為
鳴く 鳴く 鳴く
人間からしてみると
それはとても五月蠅い
けれど
蝉からしてみれば 命に刻まれた 行動
その命燃やせ
命のために燃やせ
さて 人間はどうだろう
蝉と同様 人間も命を繋ぐ為に生きている
人間も泣く
人が泣くのは その存在を認めて欲しいからかな
わたしは泣く 泣く
いつか君に見つけてもらう為 その涙を流す
蝉のオーケストラの陰に隠れて
わたしは声を張り上げて泣く
悲しいことがあったから
蝉とわたしの「なきごえ」
その日は いつまでもいつまでも
続いていた……
私の中では異色の「虫」がテーマです。