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俺のスマホはドジっ娘かわいい  作者: きり抹茶
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その5 「名前を入力して下さい」

 まさか本当にスマホが美少女に変化するとは思わなかった。しかも抜群に可愛い子供だ。俺はこれからこの子とどのように暮らしていけば良いのだろうか……。


 まず思い付いたのは名前だった。俺は『ご主人様』という背徳感のある呼び名を受けているが、彼女を何と呼べば良いのかまだ決まっていないのだ。


「なぁ、君の名前は……」

「はい! 二〇一六年に公開された日本の長編アニメーション映画で主題歌は前前――」

「ちょっと待って! 俺が聞きたかったのはそうじゃなくて……」

「え……?」


 目を丸くして首を傾げる少女。可愛いけど質問の答えが間違ってるよな……。


「君の名前を聞きたかったんだよ。どう呼んだら良いか分からないからさ」

「えっと……あぁ! ごめんなさい、音声認識で検索するプログラムが誤作動していました……」


 彼女は顔を真っ赤にして申し訳なさそうに謝る。いくら美少女に置き換わったとはいえ、能力に関しては元のスマホと変わらないようだな……。


「それで……私の名前ですよね。ご主人様もご存知の通り、私の正式名称は『AST-003 WH』ですが愛称はありません。ですのでご主人様がお決めくだされば私の名前は何でも構いません。もし難しいようであれば名前の候補を出してくれるアプリをダウンロードいたしますが……」

「そっか。でも俺が決めるよ。なんせ俺のスマホだからな」

「かしこまりました。決まったら声を掛けてください」


 名前か……。いざ考えるとなると中々思い浮かばないよな……しかも相手はスマホだ。花子とか佐藤といった名前では何かおかしい気がする。

 デザインの特徴から考えるか……。白いから『シロ』。いや、流石に安直過ぎるかな。じゃあ『クリスタルホワイト』、『パールホワイト』とか……?

 しばらくの間、腕を組んで思案するもしっくりくるアイデアは浮かばなかった。ネーミングセンス無いんだなぁ、俺。


「悪いが俺には決められそうにないって……」

「すぴぃー。ふぅー。すぴぃ……」


 少女はこっくり、こっくりと居眠りをするように寝ていた。なるほど、声を掛けずに放っておいたからスリープ状態になったのか。

 スリープ、リープ、リープ……!


 脳内で電流が走るような感覚。俺がこの子に付ける名前、決まったぞ!


「おい起きてくれ!」

「はわっ! どうされました、ご主人様?」

「君の名前は……『リープ』だ!」

「リープ……。はい! ありがとうございます! 素敵なお名前をいただき、光栄です!」


 満足してもらえたのか、笑顔で喜んでくれる俺のスマホ、リープ。

 安直なネーミングかもしれないけど、自分が使うスマホなんだし、俺の勝手でいいだろう。

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