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マジック×ウィング ~魔法少女 対 装翼勇者~   作者: マキザキ
第三章

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第45話:タイ編11 魔法少女国際交流会




『あー聞こえとる? こっちはみんな揃ってるで!』


「あ! 湯築さん! お久しぶりです!」



 エーテルネストの来賓用会議室に設置された巨大モニターに大城市の魔法少女達の姿が映り、詩織が手を振りながら応えた。

 変身前の姿の為、パッと見は年のバラついた女子会だ。

 会場は紅色の魔法少女、湯築カナタが経営するバーのようだ。

 皆、思い思いの食事を突きながら、交流会の開始を待っていたらしい。



『高瀬くん! そっちは大丈夫!? すごい強力なテラーゼルロイドっていう新種が台湾とタイで出現して、高瀬くん達が巨大ロボで戦ったって聞いたよ?』



 そう言いながら、由梨花が画面に迫る。

 蒼が「今のところはなんとか撃破出来てます。これから世界中で出現してくると思うので、そっちでも気をつけてください」と応えると、由梨花は少しほっとしたような表情を浮かべたが、会場に御崎がいることを確認すると、すぐ険しい表情になった。



『御崎先生! いくら世界の危機とはいえ、突然学生を異国に連れ去って、危険な目に遭わせるSSTの姿勢には賛同しかねます! 説明をお願いします!』



 スピーカーが破裂するのではないかと思うほどの迫力に、御崎だけでなく、蒼達や招待されたタイの魔法少女達も思わずたじろぐ。

 

 温厚な彼女だが、生徒会長として、そして戦友として、光風高校の生徒が政府や国際情勢の中で良いように使われている現状に我慢がならなかったらしい。

 同時翻訳型スピーカーのおかげで、彼女の主張するSSTの所業は、タイの魔法少女達にも違わず伝わっている。

事情を正確に伝えなければ、SSTの国際協力計画に何らかの狂いが生じると思われるこの瞬間までその気を表出させなかった彼女の芯の強さと胆力は相当なものである。



「ご……ごめんなさい……。それについては会の中で必ず説明するわ……。ひとまず双方の自己紹介から始めてもらおうかしら……」



 御崎がキーンと鳴るヘッドフォンを少し耳から遠ざけつつ、申し訳なさそうに言う。

 由梨花が席に戻ったのを確認すると、彼女はヘッドフォンを付け直し、「じゃあまずは大城市の……」と言おうとした刹那、モニターの会議画面が二分割になった。



『おーっと!! ちょっと待ってもらいまショウか! せっかくデスから私達も参加しマス!!』



 突然のカタコト日本語の爆音。

 そして映る、蒼、詩織、香子、響のぬいぐるみと紅琳、そして手を振る数名の少女達。

 仮にも極秘回線である会議に台湾組が乗り込んできたのだ。

 思わぬ台湾勢の乱入に、御崎は耳鳴りほか様々な頭痛と戦いつつ、会の進行表に殴り書きを施し「はい!! 分かった! もー自己紹介したら本題に入ります! はい! それじゃあ大城市からお願いします!」と、威勢よく会を開始した。




/////////////




 開始こそバタついたものの、交流会事態は非常に円滑に、そしてシリアスな雰囲気で進んだ。

 当然だろう。

 今世界を襲っている脅威と相対するのは魔法少女である自分達なのだから。

 御崎もそれは重々承知だ。

 だからこそ今、SSTと魔法少女達の信頼関係を崩してはならない。

 御崎は現在進行しているプロジェクト、蒼達の関与、テラーゼルロイドの特性対抗手段の進捗状況……それら全てを、彼女の責任において話ことが出来る全ての情報を魔法少女に語った。



「テラーゼルロイドの出現例はこれまでに2例。とされているけれど、実際にはそれと思われる事件が世界中で発生しているわ。一刻も早く世界中にブレイブブースター、リュウキを送り込めるシステムにしたいけれど、知っての通り、海路、空路、陸路共に安全性は例えこのエーテルネストをもってしても絶望的。今は協力を申し出てくれた国々をエーテルネストが線で結んで、シャイニングゲートを建造していくしか方法が無いの」



 御崎は由梨花のいる大城市側のカメラに視線を移す。



「小森さんの指摘はもっともよ。でも、各国の魔法少女を繋げること……これは魔法少女達へ積極的にアプローチをかけることが出来る高瀬くん達にしか出来ない。半ば無理やり連れてきてしまったことは否定しないけど、彼らも合意の上よ」



 由梨花はその言葉を聞き、「分かりました。無礼をお詫びいたします」と、深く頭を下げた。

 御崎は「謝らないでちょうだい。貴方の方が正論よ」と、由梨花に顔を上げるように促す。

 顔を上げた由梨花は「でも……やっぱり心配です! もし可能なら、有事の際、私達も現場に行けませんか?」と、カメラに迫る。

 御崎は難しい顔をし、唸りながら首を捻っていたが、やがて「何とか……取り計らってみるわ」と、返した。



 その後は、各々が趣味の話や、それぞれの国の学校事情などについて和気あいあいと話し合い、概ね2時間程度で交流会は無事幕を下ろした。

 いや、下ろしかけていた。

 御崎の「ではまた、こういう一堂に会する機会を設けましょう」と、言い切る前に、モニターのスピーカーから、けたたましいアラーム音が鳴り響いたのだ。



『テラーゼルロイド出現! テラーゼルロイド出現! 出現地は岩手県一関市!』


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