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パラダイム・ロスト  作者: 雨宮吾子
殺人者の死
7/20

附:学校新聞でのインタビュー

―まず、簡単な自己紹介をお願いします。


藤原:藤原渚です。40歳、千葉県出身。城南大学の教育学部を出ました。


―ありがとうございます。家族構成を教えて下さい。


藤原:独身です。田舎に母がいる以外は血縁者はいません。


―先生は社会科を教えていらっしゃいますが、大学ではどんなことを学ばれましたか?


藤原:一口に言うのは難しいですが、大学時代は特に日本史に興味を持っていました。大学の先生方から学ばせてもらうこと、それから自分自身で学ぶこと、その両方がありました。で、一口に言うのが難しいと言ったのは、そうした学問的なこと以外にも学んでいくことがあったからです。


―具体的にはどんなことでしょうか?


藤原:実家が裕福なわけではなかったので、普段の生活において基本的には自分で金銭的な問題を解決しなければなりませんでした。そうした状況の中で自分がどこまで社会に踏み込んで金銭を得られるか、また奨学金などの支援をどこまで受けられるのか、そうしたことを常に考えていたと思います。そうしたことを通して、自分と社会との距離感というか関係性というか、そういうものを学んでいきました。もっと分かりやすいことでいえば、初めての一人暮らしを経験しましたから、一日をどのように過ごしていくか、そうしたことを考えるのが常に大切なことだったと思います。


―その大学を選ばれたのはどんな理由がありましたか?


藤原:私は地元から離れたいという欲求が強くありましたから、都会の大学ならどこでも良いというふうに最初は考えていました。結局東京の大学を選んだのはそうした欲求があったのと、先程言った金銭的なことであったり偏差値の問題であったり、総合的に判断して大学を選びました。


―教職に就くまでの経緯を教えて下さい。


藤原:正直に言えば、最初はこれも金銭的な理由が強くありました。教職に就けば奨学金の返還免除というのがありましたから。それが次第に教えることの面白さを知ったというのもあり、これも社会との関わりの話になりますが、社会の役に立つことができていることに対する満足感を覚えていったのは言うまでもありません。


―では、最後の質問になります。生徒たちに伝えたいことや学校生活を送る上でのアドバイスなどありましたらお願いします。


藤原:まずは自立しなければならないと思います。それはあらゆる次元での意味を含んでいて、両親からの自立、友達からの自立、過去からの自立があります。自分で考えて自分で物事を決めなければなりません。その上で他人との関係の中で色々なことが見えてくると思いますから、そこでもう一度自立したものを見つめ直して、自分というものをも見つめ直さなければならないと私は思います。色々なものから自立して、疑って、そうして最後に残るのは自分しかありませんから、自分というものを大切にしてほしいと思います。


―以上でインタビューを終わります。ありがとうございました。


藤原:ありがとうございました。

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