《作家にとっての『経験値』とは?》
あなたがいつものように『小説家になろう』に作品を投稿したとしましょう。
その後、投稿したばかりの作品に対してどういう風に思いますか?
・「いつものように最高に面白い! あんな展開を思いつくなんて、やっぱり自分は天才だ!」
・「あれで面白くなっただろうか。あの部分はもっと変えた方が良かったかな……?」
もしかすると前者のように常に自信満々な人もいるかもしれませんが、大抵の人は後者のように投稿した後でだんだん不安になってくるのではないでしょうか? あるいは、最初は自信があったのに、時間と共に冷静になってきて、その自信が失われていくパターンもあるかもしれません。
これはどちらが良くてどちらが悪いという話ではありません。
どちらの作者も作品を書いた事で作家としての『経験値』を入手しています。
より具体的に説明しましょう。
前者の場合「~して良かった」という自己肯定感を得ました。
後者の場合「~した方が良かったかも?」という自己否定感を感じています。
一見すると自信無さ気な後者はマイナスに見えるかもしれませんが、次回以降の執筆に活かせる経験を得たという意味で両者は等価です。
「~して良かった」。
「~した方が良かったかも?」。
どんな方向性であれ、これらの『気付き』こそが作家にとっての『経験値』なのです。
作品の良かった点。
作品の悪い点とその改善案。
それらの点に気付いて積み重ねることで、作家はレベルアップしていくのです。
可能であれば、作品を客観視して両方の視点を持てるようになれば取得経験値は二倍です。自分の作品の良い点にも悪い点にもどんどん目を向けましょう。
更に付け加えるならば、他者の書いた作品の良い点、悪い点を探すのも訓練になると思います。ただし、悪い点探しというのは一歩間違えるとただの粗探しになってしまう可能性があるので、できれば良い点を重点的に探した方が精神衛生上良いかと思います。