天野宮高校
今回は短いです。
俺たち3人が通うこの高校、「天野宮高校」はどこにでもあるような、
ごくフツウの高校だ。
フツウすぎてもっとなんかあってもいいんじゃないかってぐらいフツウだ。
(まあ、そういうなにもないっていうのが面倒くさくなくていいんだけど)
ひとつあげるとしたらそこの校長をしているのが
ヒスイの父親である生天目乱次朗であることだ。
名前のとおり破天荒な人で、「なにをするにも派手に豪快に!」をポリシーとしている。
そんな人が校長なのに高校はフツウなのかというと、妻であるヒスイの母親が
見事に夫である校長をコントロールしているらしい。たまに失敗するらしいが・・・・
そんな人がいる天野宮高校(略して天校)に入学して今日で3日目だ。
初日は入学式と学校に関しての説明。2日目は委員やら席やらを決めていたので
実質上、今日からが本格的な高校生活の始まりだ。
といっても何にも変わらない気もするが・・・
そんなことを考えながら、俺は家の前で旋理をまっていると
「お・は・よ・う・! 勇気!!!」
と元気に挨拶をしながら旋理が家からでできた。
「おっ きたか。あとはヒスイだけか。」
「そうだな。ああ早くヒスイさんに会いたい・・・」
とまあいつものことなので旋理の発言は流しておく。
そのあとも病気にでもなってんじゃないかってぐらい「ヒスイさん・・・」
とつぶやいていた。
(コイツ・・・精神科につれってたほうがいいのかな?)
本気でそう思っていると向こうからヒスイがきた。
そしてまた旋理はものすごい勢いでヒスイに抱きつくため俺の横をすり抜けていった。
まあ 止めはしない。将来ヒスイ以外に抱きつきにいって警察にお世話になってしまったら親友として恥ずかしいので、ヒスイにボッコボコにされることで抱きつき症候群が治ってほしいのだ。
(ヒスイには申し訳ないが・・・・・)
と思ってヒスイをみると予想通り、旋理を吹っ飛ばしてこっちに歩いてきていた。
「おはよう、ヒスイ。」
と朝の挨拶をするとヒスイも
「おはよう ミジンコ! 今日もまったく存在感ないね!」
と朝の毒舌で返してきた。(満面の笑みで)
なんかもうツッコむ気力も根こそぎ奪われたので、スルーしておく。
ヒスイはスルーしたこといいことにそのあとも言葉の暴力で俺の心をボコボコにした
だが旋理が復活し、3人がそろったので俺は解放され、二人はと一緒にあるきだした。
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天校につき、俺たちはクラスに向かう。
クラスは見事に3人とも同じだった。
幸運だったとかではなく校長が計らってくれたらしい。
それに感謝しつつ3人で教室に入る。
教室にはもう結構な人数のクラスメイトがいた。
「んじゃ、また昼休みに。」
といって旋理は自分の席に向かった。ヒスイも
「じゃあね。」
と自分の席にいってしまった。
(俺も自分の席にすわろ。)
そう思って席に座った。クジで引き当てた窓際の一番後ろというベストポディションだ。
引き当てたときは、(これで授業中寝てても気づかれないぜ)と思ったのだが・・・
「おはよう、神凪くん。」
挨拶したきたのは学級委員長である波月楓だった。
「あ、おはよう。波月さん。」
挨拶を済ませると俺の隣の席にすわった。
そう、まさかの委員長のとなりなのだ!!!
(・・・寝れるわけないよな・・・)
なんたって委員長の隣だぞ? 学級のトップだよ?
いわばリーダーだよ? ボスだよ?
マジメに授業受けないと「なにやってるの?」と笑みを浮かべつつ
反省文用の原稿用紙をどっさりと差し出されそうだ・・・(そんなことはない)
と恐怖におびえていると、先生が入ってきてホームルームが始まった。