第2章・第3章 忙しい方向けまとめ
村を去ったアガトは、禁忌の森をさらに越え、人の気配すら消えた山奥へと身を投じた。
そこで彼は三年にわたる孤独な修行を続ける。
過酷な自然の中で生き延びる術を学び、剣と魔法を磨き上げた。
スキルの代償により人から忌み嫌われる存在となった彼だったが、不思議なことに山の動物たちだけは彼を恐れず、唯一の心の支えとなっていた。
修行の傍ら、アガトは姿を隠したまま人々を魔物から守る“陰の守護者”として行動する。
しかし救われた冒険者たちは感謝するどころか、彼を「魔族ではないか」と恐れ、拒絶した。
それでも見返りを求めず戦い続けた彼は、十八歳の誕生日、捕らわれた人々を救うため奴隷商人を制圧し、王都ルミナスを目指す。
だが王都で彼を待っていたのも、信頼ではなく不信と冷遇だった。
奴隷商人を捕らえた功績は疑われ、冒険者登録は最下位のEランク。
信用を得るため、アガトは単独でAランク魔物・地走竜を討伐するという偉業を成し遂げるが、その戦果さえ「不正」「偽装」と切り捨てられてしまう。
完全な孤立の中、彼の前に現れたのが、王都騎士団を率いる聖女シエラだった。
彼女は感情ではなく理で周囲の疑念を退け、初めてアガトの実力と行動を正当に評価する。
「この人の言う正義なら、信じられる」
五年間、誰にも肯定されなかった少年は、その言葉に初めて救いを見出し、騎士団への加入を決意する。
こうして孤独だけを道連れに歩んできた少年は、聖女という名の“光”と共に、新たな舞台へと進み始めた。
彼女の裏の顔も知らないまま。




