削れ
いぬいとみこさんが師匠の平塚武二さんに原稿をみせたとき、削れ、削れ、とにかく短くしろ、と、じゃんじゃん赤を入れられてショックを受けたという話が、佐藤さとるさんの自伝小説にでてきます。
削れ、というのは、しばしば、小説作法でもいう人がいます。
子どもむけの童話なら、なおさら、簡潔を旨とすべきかもしれません。
しかし、じっさい、どのていど削ればいいのか?
書いていると、やはり、どうにも、心情とか、情景とか、ついつい「描写」したくなりますが、それは、ゴッソリ、余分なのか?
といって、削りすぎたら、それはそれで、味もそっけもないものになりそうで……
むかし、面接の達人か誰かだったでしょうか、うろおぼえで恐縮ですが、「ラブレターは「愛している」のひとことがつたわればいいのだ」と、いい話っぽく書いているのを読んだことがある(ような気がする)のですが……
その「ひとこと」をつたえるために、千万言をついやすのが、つまり文章表現というもので、だから、ひと言を「ふくらませる」ベクトルだってあるわけです。
苦心のラブレターを、簡潔を要とすべし、削れ、削れ、とやっていたら、究極、「ひとこと」にまで削れてしまいますが……
それでラブは成就するのか(笑
というのは、冗談にしても……
実際、佐藤さとるさんも長崎源之助さんも、平塚さんの指導に一定の理はみとめながら、後々の対談では、わりと、師匠をくさしているというか……ダメな作品も多々あるようなことを話していたりもしたようです。
まあ、それは、あくまで、童話作家として、一家をなしたおふたりだから言えることで、当方ごときは、自作への思い入れなど捨てて、まだまだ、もっともっと、削るべきなのかもしれません。
で、どのていど?
そこが知りたい、会得したい。
だから、というわけではありませんが、思うところあって、先だって公開した『いちばんのきらきら』の文章を大幅にけずって、軽量版・簡易版を、つくりました。
オリジナル(9,273文字)から、軽量版(4,952文字)まで、文字数はほとんど半分近くまで、削ってあります。
削りすぎて、スカスカになったのか……
オリジナルのほうが、くどくど、グダグダ、冗長だったのか……
よろしければ、読み比べてみてください。




