おもしろさの種類?
あおげばとうとし勝手にココロの師・佐藤さとるさんに、つぎのようなオコトバがあります。
――――(引用ここから)――――
そうやって乱読につとめた結果、子供ながら一つの結論を得ました。小学生全集で読む物語のおもしろさと、少年倶楽部系統のそれとは、おもしろさに違いがあるということです。どこがどうとはっきりわかったわけではありません――今だってうまく説明ができません。前者のおもしろさは深く魂にひびき、後者のおもしろさはとにかく電撃的だった、くらいしかいえません。
(佐藤さとる「ファンタジーの世界6――児童文学について」講談社『佐藤さとるファンタジー全集15』所収)
――――(引用ここまで)――――
このふたつのおもしろさは何なのか。どう違うのか。
ご本人が説明できないとおっしゃっているのですから、当方ごときにはなおさら言語化できるわけもないのですが……それでも気になるものは気になるので、ときどき考えます。
「少年倶楽部系統」のおもしろさについては、まあ、いまでいうところの、マンガ・アニメ・トクサツ・ラノベ的なおもしろさなのかな?と、思わないでもないですが……
では、その一方の「小学生全集」のおもしろさは、何なのか。同じおもしろさだというのに、それも、佐藤さんによって例示されているラインナップ(「ピータ・パン」「家なき子」「家なき娘」「小公子」「小公女」「アンデルセン」「アラビアン・ナイト」「ジャングルブック」etcetc)を見るかぎり、やっぱり、ちゃんと、わくわくする「物語のおもしろさ」をそなえていそうなものなのに……どこがどうしてどう違うのか?
もちろん、感覚的には、わかるのですよ?
要はハ〇ス名作劇場だよねー、的な?
でも、それは、たんにラベリングしただけであって、説明になっていないのは同じなのですよねぇ。
おなじアニメだというのに、ジ〇ンプアニメと名作劇場はどこがどうしてどう違うのか。ガ〇ダムと名作劇場はどこがどうしてどう違うのか。そこを言明できないかぎり、説明にはならない。それも抽象的にではなく、具体的に……なんていっても、まあ、無理なんですが(汗
あいかわらずうまく言語化できないのはおなじにしても、その差異自体には敏感であっておきたいなー、とは、思うのです。




